オランダ大使入国禁止に。トルコが報復措置

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このニュースではオランダ対トルコなんですが最近では大陸ヨーロッパ対トルコなんです。
オランダは大体人口が1600万人の国で東京都より少し多いくらいの国なんだけどそこにトルコ系の住民が40万人居ると言われてる。
実際にはそれ以上居るでしょう。
ですから一つの社会の中での一大勢力と言っていい。

ヨーロッパ全体では500万人居ると言われてて、本当にトルコ系の人たちが住んでるエリアは多い。
ドイツに居てもイスタンブールに居ると錯覚するくらい多い。
特にドイツの首都ベルリンは人口の三分の一近くが移民の背景を持つ人たち。
その内の最も多いのがトルコ系。
1950年代からその国の労働者不足に陥った時、当時の西ドイツがトルコからの移民、というよりはガストアルバイターという外国人労働者を入れ、それが色んな揺り戻しもあって、でも移民として定着した人たちも居てそして今日に至ってる。
ですからトルコ系の人たちというのは大陸ヨーロッパにおいてはもう本当に一つの大きなエスニックグループになってる。

なんでこういう事が今起きてるのかというと本国のトルコのエルドアン政権がどんどん強権化を進めてるから。
憲法を改正して今自分が持ってる大統領の権限をより大きくしようとしてる。
これは今のトルコの国情を考えると分からなくもないと言ったら語弊があるけど僕たち外国人が外国人目線で「より抑圧的になるんじゃないか?エルドアンがより独裁者になっていくんじゃないか?」という懸念を寄せるのは勝手なんだけど案外これは国内で支持されてる。
国が不安定化することをむしろ逆に不安視してる人も多い。
ヨーロッパの国々に居るトルコ系の人たちもエルドアン政権を支持する集会を各地で計画してる。
ところがこれをヨーロッパ各国が治安に問題があるという事でこの集会を各地の治安当局が「中止しろ」と言って止めさせている経緯がある。
そこへトルコのチャブシオールという外務大臣が「オランダのロッテルダムで開かれる集会には私も参加する」と言ってその目的でオランダに来ようとした。
それを入国禁止にしたという事なんです。

ですからちょっと僕たちも考えなきゃいけないのは日本はまだそういう状況に至ってないけど、多くの民族グループが仮に日本社会に来る。
そうすると本国との繋がりというのは仮に日本に帰化しようが何しようが強いわけです。
で向こうでの政治的な変化、色んなごたごたも含めてそれを日本国内に持ち込むという事がある。

ヨーロッパは元々色んな個々人に対して表現の自由や言論の自由を認めてる国なんだけど、自分たちの国内で他国の政治的変化に関する政治活動を大規模にやるという事は止めてくれって事なんです。
そこは「ちょっとダブルスタンダードじゃないのか?」と指摘してる人も居るけど、でもまあそういう事なんです。

自由社会の自由を守る前提が壊れてる。
つまり自由社会に対して貧困とか、或いは独裁を理由にして大量の移民が来る。
その人たちにも「自由社会という前提を守りましょう」とやっても自由社会全部が全体主義や独裁に飲み込まれていく歴史的な流れになっちゃいますよ?こういうものを容認してると。

自由社会には最初の前提がある。
国家と個人の契約関係もそうだし道徳、公序良俗というものに対してもそう。
ヨーロッパというのは元々自由社会が源にある。
でもキリスト教による極端に抑圧的な状況というか、個人を宗教や道徳で縛っていく力が前提にあって初めて自由社会が育ってる。
その前提を抜きに政治システムとかイデオロギーとしての自由というものだけがあって「みんな自由だよ、自由でいいんだよ」と言いながら「ああそうか、うちはなかなか大変だからそっちに行くと自由が謳歌できるのか」という調子でアメリカも今その問題を抱え始めた。

全体主義国家からはみ出た人、貧困からはみ出た人を自由社会が吸収するという流れは一度止めないと自由社会全部が、地球全体が落ちていく。
地球全体が半独裁状態、或いは混乱状態に陥っていきますよ。

日本は今のところ国民の意識が移民に対して非常に懐疑的。
これは保守層だけじゃなくて一般の国民も、自分たちの国が本当にそれを受け入れるんですか?となったら一般論として自由は大事と思ってても日本社会が移民を大規模に受け入れますか?となったら日本人は全員反対します。
この状態を今の段階で死守しておくというのは絶対に必要だと思う。
安倍政権はハッキリ言ってその防波堤です。
ところが自民党の中でも移民に対して例えば高度人材から受け入れるというところから始まってちょっと危惧されるような。
人口減少問題と移民の問題を抱き合わせるような動きがそろそろ強くなってますよね。
次回に続きます。
関連書籍 ドイツ在住トルコ系移民の文化と地域社会―社会的統合に関する文化人類学的研究
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