安倍総理大臣のアーリントン国立墓地訪問

安倍総理大臣のアーリントン国立墓地訪問
この一連の安倍トランプ会談の報道。
例えばテレビなんかでもじゃんじゃん流された。
その内容は大体「こういうゴルフ場でゴルフをやった」とかその種のお楽しみネタが多い。
で、どちらかと言うと安倍総理とトランプ大統領との近しい関係を揶揄するような内容が多い。
「安倍さんとトランプさんがどれくらい近くて他の首脳との距離がどうのこうの」ってそんなのあなた達本当は知らないでしょ?
そういうまるでご近所のうわさ話みたいなネタを随分やっている。
だけど肝心な事はそこじゃない。
つまりこれだけメディアがじゃんじゃん情報を垂れ流し、まるで情報を出し尽くしたかのように見えるけど実際には報道してない事柄の中に大事な事が含まれていることがある。
特にメディアが揃ってあまり積極的に報道しない事柄というのは実は極めて重要である可能性が高い。
メディアがこの安倍トランプ会談で報道しなかった事というのを並べてみると非常に面白い事が分かる。
その一つがアーリントン国立墓地の訪問です。
確かに「安倍総理がアーリントン国立墓地で献花を行いました」という短い事実を伝えるニュースと花輪を立てかけているシーンだけを切り取った非常に短い報道だけはありました。
だけど外務省のホームページを見ると訪問した時間は全日程で15分しかない。
実際に献花を行う一連のプロセスを映像で全部映し出してもわずか数分なんです。
これはどこも伝えてない。
その内容はどういうものだったのかというと要するにアメリカ四軍(陸海空、海兵隊)の人たちが栄誉礼、つまり最高の礼を持ってお迎えする。
アメリカ軍でも日本の自衛隊でもそういう事はするんでしょうけど儀仗(儀式等に使う装飾的な武器)の礼を持って安倍総理を迎え、安倍総理が花道みたいなところに立つんだけど、その入場する時に後ろに大きな日章旗を持った人が入ってくる。
ですから丁度総理の背後に大きな日章旗がたなびいているという仕立てで入ってくる。
それで花道の入り口に立った時に向こうの軍楽隊が君が代を演奏し、そして君が代の演奏の後に続いてアメリカ国歌を演奏して二つの国歌の一説ずつが終わったらずーっと花道を歩いていって献花をする。
この一連の流れはわずか数分。
僕はこれ結構厳粛で美しい光景だと思ったし、やっぱり戦後の一つの区切りですよね。
日本国総理がそのように正式な形でアーリントンを訪問し、アメリカ側も日本国総理としてそれだけのリスペクトを持って遇してるわけですから。
そういう形で訪問したという事を何故きちんと全部フルで伝えないんですか?

次に疑問なのが日米共同声明の内容なんですが、声明文そのものは誰でも外務省のウェブサイトで見れるんだから別に殊更伝えてないという事を言う必要ないじゃないか?と思うかもしれないけどあれだけ日米首脳会談の事を時間も長く使ってテレビ等で伝えてる。
それから識者と言われる人たちも出てきて「今回の成果はどうのこうの」なんてやってる。
その割にはどうもはっきりスッキリ解説しない。

この声明文は実はA4にして二枚くらいの短いものなんです。
だけどこれ全体が、まあ識者の中には「満額回答」なんていう人も居るくらい、そして僕も読んでびっくりしました。
これ共同声明と言ってますがほとんど日本側の要望することを一方的に書いただけくらい日本の「こうありたい」って事が全部盛り込まれてる。
この中でよく引き合いに出されるのが真ん中ぐらいに書いてある「両首脳は日米安全保障条約第五条が尖閣諸島に適用されることを確認した」と。
これは今までは口頭ベースで言われてたことで主に国防長官が発言することが多かったんだけど、これが共同声明の中にきちんと明記されたことは非常に大きい事。
しかしそれよりも前段として一番最初のパラグラフの冒頭に「揺らぐことの無い日米同盟はアジア太平洋地域における平和繁栄及び自由の礎である」と始まってその後です。
「核及び通常戦力の」というところ。
「核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎない」とあるんです。
これもかなりの事を言ってませんか?
今まで日本はアメリカの核の傘の下にあるとかそれで守られてると口頭では言ってきたけど「核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類のアメリカの軍事力を使って」というこの強い表現。
とくに核という言葉をこれだけはっきりと明記してる。
これは非常に大きいです。
更にこの後に続いて「米国は地域におけるプレゼンスを強化し日本は同盟により、より大きな役割と責任を果たす」と言ってる。
これも確かに10年くらい前からハッキリと日米同盟の中で日本はより役割を拡充していくということは言ってるんですが、この声明文全編で非常に日本の役割が強化拡大されていくという事を言ってるんです。
ですから何となく既定路線だったとはいえここまで強い表現で盛り込まれ、しかもアメリカの核によって日本の防衛が支えられてるという様な事が一番冒頭で明記されてるというのは凄いなと思うわけです。
僕は事の是非を言ってるんじゃなくて今まではこれだけで相当な議論になる話じゃないですか?
そして三段落めのところで「両首脳は」から始まるんだけどここで「東シナ海の平和と安定を確保するための協力を深める」と言ってるのと同時に最後で「日米両国は威嚇強制または力によって海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する」と言ってて次に「関係国に対し拠点の軍事化を含め南シナ海における緊張を高め得る行動を避け、国際法に従って行動することを求める」と書いてある。
でその後のところには北朝鮮の事が書いてあるんだけど北朝鮮というのは国際社会においてもああいう事だというのが割とはっきりしてるから国名が明記されてるんだけどこの前の今書いた段落というのは完全に中国の事を言ってる。
日米両首脳の共同声明の中で、日本の領域ではない南シナ海の事でこれだけはっきり言及する、この短い文章の中で。
これが何を意味してるのかというと、つまりここには中国という国名こそ出てこないけどこの共同声明の特に前半、日米同盟の部分は殆ど中国に向けてのものなんです。
殆ど全編を通して中国に対するアピール。
ですから今回の日米首脳会談、そして11月のトランプさん当選直後に安倍さんがトランプタワーで会った時の話の内容の含めてもうほとんど対中国という事を主題にしてずっと沢山話をしてきた。
それは総理筋も認めてます。
その最終的な結果がこの共同声明の書きっぷり。

今回一連の洪水のような報道の中で、しかし報じられなかった事柄は何なのか?
まずはアーリントン墓地での、ハッキリ言ってしまえば日の丸君が代ですよ。
日の丸君が代を背負った総理の姿。
それと共同声明の中にある「核」という言葉。
今まで散々非核三原則という事を言い建てて核アレルギーって事を言ってきた人たちが何故これに対しては沈黙してるのか?
つまりアメリカとの共同声明だったらギャアギャア言わないの?
一番最初にアメリカの原子力空母が日本に来た時は大変な騒ぎでしたよ、マスメディアと活動家含めて。
それからすると隔世の感もあるけど、もはやこれに対して物を言わなくなっちゃった。
スルーして、逆に言うとこの重要性も伝えなくなってる、国民に対して。
むしろこれが盛り込まれたことを国民に伝えるべきなんですよ積極的に。
でもそれを伝えようとしない。

もう一つ伝えようとしない事が中国というフレーズ。
中国を明確に日本の脅威だと捉えること。
これに対してもまだまだやっぱりマスメディアの中では「そうしてはまずい」という事があるんでしょうね。
「中国は問題のある国で変なものが作られている」とかそんなネタは沢山やるんだけど、日本にとって明確に安全保障上の脅威であるという事をどうも伝えるのを渋る傾向が強い。
これだけ連日尖閣諸島に中国公船が来てるにも拘らず。
つまり日の丸君が代、核、中国の脅威、これらが今回伝えられていない、日米首脳会談の一連の報道を通して。
この伝えられてない事がむしろ大事な事であって日米首脳会談の一番鍵となる事柄だったんだと思う。
やっぱり日の丸君が代を背負った日本の総理があのような形でアーリントンで献花するというのは大変大事な事だったんです。
歴史的な一つの区切りだっただろうし、あれをすることによって日本の中から、まあ僕はちょっとこれには賛同しかねる部分があるんですが「トランプさんが返礼として靖国神社を訪問してくれればいい」なんて言ってるけどそれは向こうが決める事ですよ。
それからアーリントンと靖国神社というのはどこまで行っても違う施設です。
それを同じように並べるのはどうかなと思う。
つまり靖国というの非常に日本にとってのみ重要な施設だからというのがあるんだけど、そういう声が出るくらいこのアーリントン墓地での正式な献花の様子というのはある種今までの色んな枠組み、戦後的なものを終わらせるぐらいのインパクトのある映像だったと思う。
それをあえて報道しない。
そして散々核アレルギーをまき散らしてきたにもかかわらず「アメリカの核によって日本を守る」という重要な事が冒頭で明記されているにもかかわらず、このインパクトを国民に伝えない。
これもまた非常に日本のメディアらしいところだと思う。

最後には「中国が脅威である」という事を明確に。
これはそれを全文で遺憾なく伝えているにもかかわらずこの事を言わない。
識者と称する人たちも中国って事を明確に言わない。
だけどこれは中国に当ててるもの以外の何物でもない。
だから今回のこの一連の日米首脳会談報道においては沢山の情報が流されたけど、実は報道されていない事が重要というところを是非頭に入れておいて頂けたらなと思います。
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