英、EU完全離脱へ。メイ首相、方針初表明

英、EU完全離脱へ。メイ首相、方針初表明
イギリスというのはもともと大陸ヨーロッパとは物凄く仕組みの違う国です。
法律の体系がそもそも違う。
日本は大陸ヨーロッパ、ドイツなんかに近い法体系なんだけどイギリスとアメリカは全然違う。
であるにもかかわらずEUの枠組みに入ってしまったがためにEU議会で決まったことがポンとイギリスに降りてくる。
そしてそれを守らなきゃいけないという話になっちゃう。

イギリスが長い間をかけて培ってきた色んな伝統や国柄的なものと全く相容れないものがいきなり降ってくる、EUの一員になってしまったがために。
そういう事に対する反発も根強くあって、単純に労働者が入ってきて仕事を奪われたから嫌だという話じゃない。
これを回復しようという事なので、まあ言ってみれば当たり前の事。

メイ首相が演説に先駆けて「イギリスはこれから新たにまたグローバルな国を目指すんだ」と言ってる。
どういう事かというと元々大英帝国の伝統がある。
つまりイギリスという国であり続ける事=グローバルであることなんです。
だってイギリス国内には何の資源も無いし生産力と言ったってあまり大したことない。
じゃあ今特にイギリスのもので「是非私たちも欲しいな」とか、我々の生活の中で欠くことのできないイギリスの製品って無いでしょ?
だからある種のイギリスのブランド力というのはあるんだけど、あんまり大したものを持ってるわけじゃない。
要するに今までイギリスはそういう政治力を使って確かに過去には世界を蹂躙してきた歴史もあるんだけど世界との関わり合いの中で、今は特に金融とかそういうもので生きていく国。
その宿命は分かってるからこのままズルズルと小国に成り下がるという気は無くて「よりグローバルな存在になっていくんだ」、つまりEUから離れる事によって足枷がむしろ外れ、自分たちは世界の中での英国という存在として輝けるという風に彼女は思ってるんだろうし、どっちにしても離脱をするという事になればマイナスはあります。
このマイナスの影響をむしろ短期間で終わらせることによって傷を深めないという判断をしたんじゃないか?

この演説の後にPMQといってプライムミニスターにバンバン質問するという会があった。
このPMQは毎週行われてます。
国会議員が首相をワアアッと取り囲み、さらに首相側の党派の人たちも後ろにワアアと居て、あらゆる議員がバンバン質問を浴びせる。
それに対して一問一答のようにバンバン答えていく、メイ首相が。
僅か小一時間なんですが日本の国会質疑とはテンポも違うし密度も違う。
凄いです。
さすがに議論の国。
メイ首相はもちろん手元にある程度、質問の事前の通告があるんでしょう。
手元に一応資料を持ってるんだけどそんなものを見ながらとか、或いは日本の国会答弁みたいに型通りの事じゃなく自分の言葉でウワアアッとしゃべってる。
質問する議員たちもあっちこっちから立ち上がってワアアッと質問する。
もちろん指名はあるんだけど時間がもったいないから、もうみんな指名されるが早いかどうかくらいのタイミングでバッと立ち上がってワッと質問を浴びせる。
つまり一回の質問に対してワッと答える。
そうするとすかさず次の人がワッと質問する。
あの質問を浴びせられる首相が一人。
で後ろに居る議員たちはそれに頷いたりしてるんだけど、あれをやり抜ける政治家としての体力、知力。
これはやはり凄いものを求められるんだなあイギリスの首相はと思いました。
ですからそういう意味での政治的風土の非常に強固な国なので、今後もそういう形でやっていきますよという事。

ヨーロッパとはここからが勝負。
ヨーロッパの単一市場に自分たちは残らないで、単一市場相手に今度はどれだけイギリスが良い条件での取引を可能にしていくか?
ですからここから先メイさんとそのチームによるタフネゴシエーターぶりがどれくらい発揮されるのかという事はこれから注目すべきところですね。

二代目鉄の女ですよ。
やっぱりイギリスは国家主権が危うくなった時、それを引き戻す役割は女性が担うんですね。
サッチャーといい、鉄の女が担うんだね。
関連書籍 イギリス政治のニュースレター: 2017年1月10日号
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