北方領土に「特別な制度」日露首脳

o0450036120161215at56_p.jpg
この一連の対ロシア交渉について多くのマスコミはこういう報道の仕方をしてる。
要するに領土問題と経済協力問題、この2本立てだ。
尚且つ日本側としては経済協力を材料に領土問題の譲歩を引き出す。
ロシア側からすると領土問題を材料に経済協力を引き出すみたいな建て付けの報道が殆ど。
しかしこういう見方をしてると今回の日露交渉の本質を見誤る。
どういう事なのかというとこれは表裏一体であって、どちらが主でどちらが従であるとか、どちらが表でどちらが裏かという話じゃない。
一体化してる話。

これが安倍さんの言う特別な制度というところに係わっていて、国後択捉が最大の焦点になってくるんだろうけどそこにはロシアの住民が居ます。
或いは企業も進出してる。
或いはロシア軍のミサイルや基地が配備されてるしロシア軍兵士もそこに駐留してる。
こういう状況があって、何か領土返還されたらそこから出ていってもらって、そして日本に還すというイメージになってるのかもしれないけどそうじゃない。
元島民のお墓があるだとか、元島民の渡航は自由に出来ますよという事だけじゃなくてそこで事業をする、ビジネスをする、商売をする。
要するに日本のビジネスマンたちが自由に往来することが出来る。
日本の観光客がビザなしで自由に往来することができる。
そして日本の企業活動や商売が一定程度自由に出来る。

確かに領有権の問題というのは重要かもしれないけど現実問題として日露の共同管理という方向に移行していくんじゃないか?
こういうところを安倍さんは考えてる。
で結果的に将来国後択捉が戻ってくればいい。
要するに現状で黒白ハッキリ付けるんじゃなくて名より実を取る。

一部報道にあった特区構想。
日本国内に在った特区構想とは似て非なるものなんだけどそういった概念で国後択捉を位置付けたらどうか?

政府系の国際金融機関等々がそこに融資をする、出資をするという事を考えたとしても場合によっては外国の資産になってしまう。
そこの建付けをどうするのか?
その問題をクリアするためにそういった特区構想的な発想も必要。
だから共同管理の在り方、経済協力の在り方について突っ込んだ議論をする。
前に向かって進んでいくというのは取りも直さず領土問題に返ってくる。
そういう話になるのかならないのか?

これについてプーチン大統領はオールオアナッシングじゃなくて「ここまでだったらいいよ?」と。
どこのルール、法律を適用するのか?
特別な地域に関しては特別な立法措置をとるのか?
そこの部分は言ってみれば事務方というかある種ワーキング的なところでしょ?
そうじゃなくて全体構造としてどうするのか?というのはプーチン大統領にボールが投げられて委ねられた。
ただ安倍さんの言ってる内容を見ると一定程度の成果は見込めたんじゃないか?

ともすると「還ってこないじゃないか!」と怒る人が居るんだけどそうじゃなくてロングレンジのスパンで見るべきなんですこの問題は。
そんなにすぐさま黒白がハッキリついて還ってくるものじゃない。
その上で平和条約の締結という事も見えてくるはずですから今回で間違いなく前進するし、今前進しなければ将来前進するチャンスを失うんじゃないかな。

違う角度から話をすると、まず戦争に負けて領土を失わないということはあり得ない。
これは仕方がない事。
日本は大東亜戦争に敗れて、8月8日にソ連軍の侵入が開始されて満州も取られましたが、あの規模の戦争で負けて北海道が取られなかったというのは非常に稀な事だと思う。
歴史的に稀で非常に幸運だった。
ですからこの4島を取り返すというのは非常に難しい。

ボーダーに住んでる住民は大変なんです。
例えばドイツとフランスの境界がそうですけど、ドイツの力が強くなるとドイツ領になり、フランスが強くなるとフランス領になる。
そうするとそこにある小学校はドイツが占領するとドイツ語を教えて、フランスが占領するとフランス語を教えるという事になる。
ですからボーダーをどういう風に処理するか?という事は今後国際平和を考える時に非常に大切じゃないか?

一つの案としてボーダーを線で確定しないで幅で確定する事によって国際紛争を減らしたらどうか?
両方が主張するところってどうしてもあるんですよ。
その殆どがボーダーが原因で戦争が起きる。
国全体の面積が100あって、ボーダーの面積が0.1でも人間の心ってカァッ!と来るんです。
だから0.1の面積のところで100全体が戦争をする。
こういう事を今後避けるためにはボーダーの管理をどうするか?

是非安倍さんに力を発揮して貰って日本とロシアという大きな国の間の緩衝地帯みたいなものを作り、もっと積極的にそこを文化交流の拠点だとかそういう風にしていっていい流れに持って行ってほしい。
関連書籍 北方領土、動く! 2016年 12 月号 [雑誌]: SAPIO 増刊
関連記事

コメント

非公開コメント