「一つの中国」壊せば平和に打撃。中国当局が米に警告

AS20161214001955_commL.jpg
一つの中国ということ自体が、中国の作り上げた幻想とまでは言わないけど彼らの理屈です。
元々中華人民共和国、今の中国と台湾に逃げていった国民党の勢力の中華民国。
この二つの中国があるとされていた。
ところが1972年のニクソンの電撃訪中以後、アメリカや日本といった国々が雪崩を打ったように中国共産党と国交を樹立する。
これによって台湾が世界の孤児になってしまった。
しかし今だに蔡英文総統も就任の時に「本当は中華民国の総統なんだ」という事をちゃんと宣言した。
国民党が樹立した中華民国の政府を継承しているというセレモニーもやってましたから。
台湾は独立志向が非常に強い民進党ではあるけど一応今も台湾の政府というのは中華民国の政府なんです。
じゃあこの中華民国をどういう風に扱うか?
中国側は「俺たちの領土だ、核心だ」と言ってる。
だけどよく考えてみてください。
台湾独立と我々気軽に言うけど、台湾は今も昔も中国共産党に実効支配はされてません。
だからこの独立という言葉もちょっとおかしいのかもしれない。

確かに台湾という島があってそこが日本の統治下にあった、半世紀くらい。
その後、中華民国政府を樹立していた国民党が国共内戦に敗れて台湾海峡を渡ってくる。
そこで国民党の亡命政権みたいなものが樹立され、それで現在に至っている。
ただその途中、台湾人である李登輝総統が民主化を成し遂げて今の台湾に至ってる。

西側諸国は70年代に中国との国交を結びたかった。
中国に乗せられて、中国と国交を結びたい病に罹ってしまった、日本の田中角栄さんも含めて。
その時に「一つの中国原則を守ってください」と注文を付けられてる。
で日本とアメリカもそのようにしてきた。
ただアメリカに関しては72年にニクソン電撃訪中は在ったんだけどこの時すぐに国交を樹立するところまでいかず、79年に米中国交樹立。
この79年の段階ではカーター政権になってます。
カーターさんもちょっとお花畑な人だから「中国と国交樹立すればいいんじゃない?」くらいの感じだった。
ところがアメリカ国内で大変な反発があり、特にアメリカに居る台湾から逃れてきた人達も含め「いやいや、じゃあ台湾との関係をどうするんですか?切ってしまったら困りますよ」という事をずいぶん進言する人が多く、そして台湾関係法という台湾との間の安全保障の取り決めを国内の法律として制定します。
台湾とアメリカとの実質上の軍事同盟を築く。

90年代になり李登輝総統の総統選挙の時に中国側がミサイルを撃ち込んでくる。
あの時中国側がそういう軍事的挑発をやめたのはアメリカの空母が台湾海峡に乗り出していったからです。
そういう風に台湾に何かあれば一応アメリカは前へ出ますよという様な事は今までにもあった。
そうした形で事実上「一つの中国」と「一つの台湾」という形で住み分けて関係を作ってきた。

日本においてもそれは大体同じで、ただ日本には台湾関係法という法律は無いし軍事同盟も無い。
しかし台湾との関係を絶やさないために、民間ではずっと行き来をしてるわけだけど要するに政治的なやりとりを途絶えさせないためにずっと努力してきた国会議員のグループがいわゆる台湾派と呼ばれる人たち。
これが日本の保守系の議員に多い。

つい最近ですけど台湾の故宮博物院の文物が日本に来て大展覧会をやりました。
これも法律の整備があって初めてあの展覧会が出来た。
今回そのお返しに日本の東京国立博物館と九州の国立博物館の文物両方抱き合わせで向こうで大展覧会をやります。
そういう事も国交のない国同士だから、要するに法律というものが無いとそういうものをやり取りは出来ない。

ですから事実上国際社会の「台湾が中国共産党の中国の一部」だなんて事は誰も思ってないけど、でも中国は自分たちの建前というものをとにかく崩してほしくない。
でもこれだけの危険球を投げられるトランプさんが大統領になるというのはある意味凄い事ですよね。
関連書籍 中国外交と台湾―「一つの中国」原則の起源
関連記事

コメント

非公開コメント