安倍首相、プーチン大統領と会談

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何が言いたいのか分からない、この記事。
結局プーチンさんとのペルーでの会談は良き会談だったのか?
それとも困った方向なのか?
さっぱり分からない。

この記事に書いてあるのは「12月15日に山口県長門市にわざわざプーチンさんが来て話し合うんだ」、でその後「翌日にすぐ東京に行って経済協力の話をするんだ」。
この事自体をみんなはどう考えたらいいのか?

山口県長門市で領土の問題をぐりぐりゴリゴリ踏み込んで話が出来るんだったら日程にもう少し余裕があった方がいいはずですよね。
でもすぐに東京に行く。
しかもやっぱりどちらかというとロシアは経済協力だけをやりたいからそれに合わせてるんじゃないか?
とにかくどう考えたらいいかさっぱり分からなくて、分かりたいからその後の記事を読むと「プーチン大統領は貿易や経済協力の実現に向けた活発な作業が続いていると強調しました」。
つまり領土の事は一言も言ってないんだけど、一言も言ってないとは書いてないからますますよく分からないからその後を読んでみると「安倍総理は北方領土を含む平和条約の云々。でそれを進展させたいという構えです」。
あれ?食い違ってますけど?
どういう事なの?と思ったら記事の最後に「安倍さんは解決に道筋が見えてきてはいる」。
つまり「沢山料理が出てはいる」。
美味しいのか?美味しくないのか?
口に合うのか?合わないのか?
分からない。

「沢山数は出ている」と言ったら普通はあんまり美味しくなかったという意味じゃないですか、ニュアンスとしては。
だから「見えてきてはいる」というのは何なのか?と読者は当然疑問に思う。
疑問に思ってたらその後に「大きな一歩を進めることは簡単ではないが着実に前進していきたい」。
えっ?じゃあこれうまく行かなかったのかな?
どっちなの?
何のために報道してるのかよく分からない記事になってて、何となく分かるのはキャップも現場の記者も判断を迷って中間的に書いた。

これは珍しく日本の報道が見事に分かれてる。
日本の報道って外務省がブリーフィングしたらそれに合わせて書くからみんな似たような記事だから、よせばいいのに朝日、産経取るだけじゃなくて東京新聞まで全部読むんだけどそんなの普通必要ないんですよ。
でも今回はまずNHKがずっと繰り返し言ってたのは「安倍総理の言いぶりが変わった」。
さすがNHKらしくて、変わってどうなのかは言ってくれないんだけど「言いぶりが変わった」、つまりNHKが暗示してるのは前は「うまくいったうまくいった」と10数回もプーチンさんと会談して言ってたのが「今回は非常に難しいんだ」。
「70年あまりも領土問題は解決してないんだからという事を言った」と。
つまり今回は壁に当たったという事をNHKは強く示唆してる。

じゃあ新聞はどうかというと産経新聞は基本的には「やっぱりうまくいってる」と。
「長門会談に期待が強まっている」みたいな事を一面に書いてて、真逆の朝日は「ロシア側は共同経済開発を持ち出した」と。
共同経済開発って何のことかというと「北方領土はロシアのもの」、それは何も変わらないのでそこに日本は投資して良し。
例えば「日露で自動車工場を作ってよし」、という事をロシアは提案して日本は困ってるという事を朝日新聞は書いて、産経新聞にはロシアがそういう提案をした今回のリマでの会談でそういう話をしたという事は一言も書いてない。
で朝日はそれを徹底的に強調してる。

何が言いたいのかというと、安倍総理は岩盤の支持層を失いつつあるのを自覚してほしい。
この層が安倍総理とどんどん乖離して行って、で何が残るんですか?

一方のプーチンさんの岩盤の支持層というのがハッキリ言って悪質なんです。
ロシアの支持層というかこれはソ連そのものと言ってもいい。
だからソ連共産党を否定してエリツィンさんが大統領をやってて、エリツィンさんが事実上後継指名してプーチンさんが大統領になったんだけどエリツィンさんは酒に酔っぱらってとんでもない大統領だったけど酔っぱらわざるを得ない事情もあった。
つまり帝政ロシアからソ連共産党になった時も実は独裁が続いてただけ。
皇帝がソ連共産党になっただけという現実もあったんだけど、そのソ連共産党の支配が打ち壊されて1991年のクリスマスにソ連邦が解体して、じゃあ民主主義になったのかというとそんな生易しいものじゃなくて、いわば皇帝の時代からずっと続いてるような既得権益がずーっと生き延びて、それが共産主義の顔をしたり、今だと民主主義の顔をしたりする。
でプーチンさんの岩盤の支持層というのは軍と、政治の世界に巣食うところのどうしようもなく古い、独裁大好き。
独裁大好きというのは利益を全部独占するのが大好き。
そういう人たちが岩盤の支持層で、その岩盤の支持層から北方領土、歯舞色丹。
プーチンさんも国後択捉を還すつもりは夢無くて、精々歯舞色丹。
歯舞色丹の二島というのは四島のうちの二島じゃなくて、領土は普通面積で考えるものですから。
面積で言うと7%しかない。
93%は永遠にロシアのものにしちゃうという方向に行ってること自体が僕は鈴木宗男さんと違って反対なんですよ。
反対だけどせめてとにかく領土が還るきっかけを作ろうと安倍総理はしていたけど今回の会談でダメだとハッキリ言われたとまでは言わないけど、プーチンさんから国内の厳しい事情を強調して少なくとも12月15日の山口県長門市の会談でケリがつく見通しはほとんど失われた。
少なくとも今回の会談で安倍さんは、長門で大きな成果を得て、例えば国内で解散総選挙に踏み切るのは無理だなというのを総理は感じて顔に出ちゃった。
きつい事言いますけどやっぱり顔に出しちゃダメです一国のリーダーが。
一国のリーダーは、不利な話が出た時に顔色を変えちゃダメなんですよ。
本当に気が張ってると顔色は変わりません。

今回顔色が変わったというのは、プーチンさんに国内事情を持ち出されると「そんな事は日本も同じじゃないか」と安倍さんも思いますよ。
「ロシアだけが国内事情ある訳じゃないだろう、こっちは岩盤の支持層を傷つけてまでやろうとしてるんだ」という想いをガッ!と抑えざるを得ないから思わず顔にも出るわけだけど。
そこは同情したいところですが同情できません、一国のリーダーですから。

したがってプーチンさん個人が強かで悪魔のような人という事だけじゃなくて、やっぱりプーチンさんも政権を延命させるために、自分の強い政権を続けるために言う事を聞かなきゃいけない相手が居て、そこからストップがかかってて、このまま行くと何も結果が出ないならまだしも北方四島の主権をロシアに渡したまま、そこにトヨタやホンダの技術だけ吸い取られ、しかも今まではまだアメリカのオバマ大統領がプーチンさんと敵対して「クリミア半島も東ウクライナもとんでもないぞ」と口先だけだけど抵抗してた。
それは口先だけだけどその後ろには世界最強の米軍が居たから優柔不断なオバマ大統領であってもプーチンさんはある程度抑制せざるを得なかった。
本当に東ウクライナからもっと西側に出ていったらNato軍とNato軍の中心のアメリカ軍が出てきてロシア軍は木っ端微塵ですから本当は。
それがあったんですが、トランプさんとプーチンさんが選挙中から連絡を取ってて、米ロ関係が空前の信じられない事態。
つまり日本抜きでアメリカとロシアが裏で手を結ぶ。
アメリカ全部とは言いません。
例えばアメリカ軍は絶対にロシアとは手を結ばない。
これはトランプ政権の不安材料です。
でもトランプさんはビジネスマンとしてロシアと裏で手を結んでしまうかもしれないという、今回の大統領選挙があるまでは想像も出来なかった事態が進行してる、今も。

それが今安倍さんの両肩にドッと圧し掛かってきてる。
だから必要な事は、メディアに何を言われようが長門で成果を出そうとしない事です。
12月15日の長門で結果を出そうとすると思う壺ですよ。
相手の思う壺になる。
仮にいろいろ言葉を綺麗に飾ったとしても日本の技術力だけ、特にプーチンさんが注目してるのは明らかに自動車で、トヨタの工場をロシアに作るという話じゃなくて「全自動運転の技術を寄越せ、ただで寄越せ」と。
それが現実なっちゃいますよ。

世界はグローバリゼーションが止まらない。
世界全体が一つの地域になって、人件費の安いところが工場をやる。
それは変わらない。

日本はどうやって生きていくか?
それは技術力がすでにいつも一抜けて、いつも先頭に立ってる。
だから安い人件費の労働者が居ても、「それを扱う技術は全部日本が提供するんだ」という事しか生きる道は無いんですよ。
それを選挙に勝ちたいから、「北方領で頑張りました」と有権者にアピールしたいからという事で一歩でも半歩でも譲ったら、日本の一番の長所を安倍総理自らが奪う事になる。

だから12月15日、相手が体制整ってないと言うなら「ああそうですか、じゃあ一杯美味しい日本酒を飲みましょう長門で」。
それでいいんですよ。
関連書籍 緊迫の日露交渉! 「北方領土」返還への道 (別冊宝島 2509)
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