トランプ氏、支持率逆転。メール問題再捜査影響か?

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支持率逆転したからと言ってどちらが有利という事は言えません。
州によってはその州勝つと選挙人の数を総取りできるという州があるのでまだまだ分からない。

アメリカで丁度2010年代に入ってから色んな形で散発的に起きてきた政治運動がある。
例えばウォール街を占拠するだとか、或いはティーパーティーという様な保守運動が出来てきたり。
こういう人たちの一貫した流れと同じなんだけど、要するに不平等感です。
アメリカを支えてきた中流層達が「やっぱり不平等だよね?」と。
「ウォール街に象徴されるような一部の特権階級だけが物凄い富を持ってるじゃないか」と。
で自分たちは一生懸命働いてるし決してこの人たちは低所得じゃないです。
例えば世帯の年収が、共働きという事もあるんだけど大体日本円で言って1000万前後。
それは別に低所得世帯じゃない。
こういう人たちが底堅くトランプを支持してる。
何故かというとこの人たちにとっての不平等感はものすごく強くて、但しトランプ支持と言っちゃうと何かバカの象徴みたいに言われちゃう。
だから言えないんだけど実は底堅く支持をしてる。
隠れキリシタンなんです。
なのでもしかすると数字に出ているよりも票を取るかもしれない。
しかも総取りになるような州でそういう人たちがドッと動くと可能性としてはあります。

結局トランプは富裕層の息子でもあるんだけど最初から「俺は金を持ってるから自己資金でやる」と。
既に100億使ったと言われてるんだけど要するにヒラリークリントンみたいにウォール街の様なところから金を貰って、そういうところに都合のいい政治をやる連中はもううんざりだという事なんです。
そういう富裕層に対する不満がまず一つ。

一方で中流の人たちというのが一生懸命働いて税金もしっかり払ってるにも拘らず、ふと周りを見ると全く所得の無い人たち、日本で言えば生活保護みたいなものを受けている全く働かない層が居て、「この人たちは色んなものを免除されてるじゃないか」と。
ましてや人種的にマイノリティーだったりすると、マイノリティー優遇策なんてものもあったりする。
「俺たちが真面目に働いても一番何も報われないじゃないか」、こういうところをうまく掬い上げたんですよ。
要するにごく一部の上と、下の両方に吸い取られていってしまう。
両方に引っ張られていってる。
この真ん中の層の人たちを実はうまくトランプは吸い取った。

でドナルドトランプは事業でもすごく失敗してるんだけど一方ではマーケティングの天才という風にも言われていて、やっぱりそういう人たちにうまくマーケティングできたんですよ。
「お金はあるから俺は自己資金でやる」というところもその人たちからすると結構潔いという感じで喝采を浴びたりもした。
これと同じ現象が今世界で起きているという事が問題。
一か月前くらいにイギリスのメイ首相が党大会で演説しました。
イギリスは今EU離脱を掲げてます。
これをどうするんだという話。
これには経済的デメリットが大きい大きいとずっと言われていて、もちろんイギリスでも投票した層は色々居て、要するに騙されて投票した人も居る。
ある野党の党首の嘘によって。
要するに「もし離脱したら今までEUに対してこれだけの額を負担していた物を国民の健康保険や医療に使えるよ」ってそんな事は全く出来ないんだけど。
そういう嘘で騙された人も居るけれど、メイ首相はこのEU離脱をかなり肯定的に受け止めて、どう受け止めたのかというと「これは静かな革命だ」と言った。
ここでのメイ首相の演説の中で非常に強調されていたのは「一生懸命働いて社会を支えてきた普通の人たちが不公平感を感じてる。イギリスはそう国であってはいけない」と。
だからそういう普通に働く人たちがそれを実感できる。
そして「家柄には関係無くきちんとなりたいものになれる社会、こういうものを目指していきますよ」と。
その場合、移民に関しても明確に制限するという事を言ってます。

むしろトランプ現象の答えが不思議な事に海を越えてイギリスで明確に語られていて、こういう事を言ってます。
「金融危機の後に最大の犠牲を払ってのは富裕層ではなく一般の労働者階級世帯だった。家計の支払いが一気に増えたのに仕事を失ったり就労時間を減らされたり給与が下がったりした人、或いはこれを認めたくない人が大勢居るのは知ってるけど、定義の移民のせいで職を失ったり給与が下がったりした人なら世の中は全く不公平だと思うはずです。他人のせいで自分の夢が犠牲になった、そういう感じがするでしょう」と言ってる。
こういう庶民の感情をメディアはバカにしてきたと彼女はハッキリ言ってます。
つまりメディアと一部の政治家は、要するに庶民の気持なんか全く分かってなくて断罪してきたじゃないかと言ってる。
例えば「政界やメディアの一般市民との分断」という事を言ってて「市民の愛国心を不快だと言い移民問題を心配するのは視野が狭い。犯罪についての考えはリベラルではないと言い、職を守りたいという気持ちは不都合だと市民を見ている」つまり上から目線でそういう事を言ってるじゃないか?と。
で「1700万人以上もの人が欧州連合から出たいという投票をした事実に対してむしろ政界やメディアの人たちは酷く混乱してしまって全く受け入れられずにいる」と。
つまりこの全く受け入れられない状況はトランプ現象でも起きてるんですよ。
アメリカのリベラルなメディア、それから知識人と言われる人たち。
そしてなぜかそこと同じ気持ちになっている日本の知米派知識人も同じようにこのトランプ現象というものを受け入れられなくて、やれ気持ちが狭いだのなんだのかんだのと言い捨てるだけに終わってる。
「そこを私はちゃんと受け止めますよ」とメイ首相は言ってる。
こういう事がイギリスとアメリカでほぼ同時に起きているという事を、やっぱり僕たちはきちっと注目しておかなきゃいけないと思う。
これはアメリカが弱くなった、イギリスが弱くなった、だから弱くなった、内向きになった。
これだけの話じゃない。
もちろんこのグローバリズムの流れの中でアメリカとイギリスは新たに自分たちの国に回帰していって、自国に回帰していってもう一回力を蓄えて新たな帝国を再構築しようとしてるのかもしれない。
そういう風に見る方が良くて、だから世界がそういう風に溶解仕掛けてる中で日本だけが何となく静か。
だけどこの世界の変化、地殻変動的なものに日本も備えなければいけない。
そういう意味で日本はいま政治を不安定化させるべきではない。

アメリカとイギリスはある意味金融で、特にイギリスは完全に空っぽだけど金融だけで生きてそれで勝って、富裕層がそれを牽引し、それと同時に価値観において、要するに共産主義が崩壊した後にアメリカイギリスデモクラシー、英米の主導する人権主義というものが結局世界の基準になっていく。
そういう言ってみればカッコいい綺麗事。
人権の綺麗事を世界中に言いながら、金融で格差社会を作っていった。
でもそれをずっと支えてきた、例えばハリウッドの全盛期。
あれは超富裕層ではなくて丁度中産階級が物凄く憧れられる世界ぐらいの範囲でしょ?
ああいうところが手厚い国。
ああいうところに人材とか国家の色んなものが集約してて世界の覇権が取れたのに、実際にこの20年というのは金融と綺麗事でどんどん突っ走っていった時に取り残されていたのが国力の土台を作る人たち。
日本でもイデオロギー的には全くそれと同じ現象が起きてて、それに対して保守とか右寄りと言われている人間たちというのがなんで出てくるかと言ったら、やっぱり知識人やグローバル社会を引っ張っているある種のそういうリベラリズムの偽善みたいなものに対して「自分たちの居場所をもう一度作り直さなきゃ」という感覚でしょ?
その時にそれを受け皿にするのがトランプまで行ってしまう。
レーガンみたいなリーダーに集約されたのではなくて何故トランプに行っちゃったのか?

アメリカは共和党、民主党の2大政党が政治を牽引してきたわけだけど、この2大政党も今やちょっと溶けかけてる。
というのはヒラリークリントンという人はプロの政治家でリベラルな政治家というイメージもあるんだけど一方で共和党という政権を聞いた時、僕たちがパッとイメージするのはネオコンってあるじゃないですか?軍事産業と繋がってる。
じゃあ今回トランプとヒラリーを見た時にネオコンはどっちを支持したかというと圧倒的にヒラリーなんです。
だけど一般の働く軍人さんたちは全くヒラリークリントンを支持してない。
こういう現象が起きている。

確かにドナルドトランプは凄い際物なんだけど、ただ彼はテレビショーなんかもやっていてまず圧倒的な知名度があった。
だからトランプってどんな人?と説明する必要も無かった。
そういう意味で今までの共和党の小さな候補たちとは違うし、共和党の候補者たちもそれなりにプロの政治家なので今までの枠組みを壊せないんですよ。

トランプだけがネオコンとも関係無い。
ウォール街とも関係無い。
でネオコンはヒラリーに行っちゃった。
よくよくネオコンの出自を考えていくと、もともと民主党の方にも根っこはあった。
こういうところで民主共和の政党そのものも自分探しの時代に入っちゃった。
だから政党も関係無い。
その中で出てくるのは誰なのか?と言ったらこれぐらいアクの強い、そしてアメリカというのはもともとテレビポリティクス(テレビを意識した政治活動)の国だからテレビ的にも知名度のある人。
そしてある意味ではこの人は暴言王なんだけど、何故かこの人の場合暴言が上手く炎上マーケティング的に自分を浮上させるきっかけに使われてきた。
そういう意味ではマーケティングのうまい人ともいえる。
つまり今までの政治システムに対する徹底的な不信感です。
それとメディアに対する徹底的な怒りと不信。
それをうまく言葉で全部整理したのが実はイギリスのメイ首相であってトランプじゃない。
でもそういう秩序全体に対する感情的な思いがやっぱりトランプ現象を起こしてる。
それともう一つもしかしたら、あと何年か経って歴史を振り返ってみた時に、こういう現象そのものもどこかできちんと仕組んでる人が居るのかもしれない。
それがあり得るとすると、アメリカのしばらくずっと続いたメーカーと癒着してる金融システム全体、つまりそのシステムを崩したいという人たちが居てガラガラポンをしたいということはあるかもしれない。

金融ばっかりで引っ張ってきて、その象徴がヒラリークリントンの旦那さんなんだけど、そうではなくてもうちょっと実体経済とリンクした形の金融というものへの模索をしたい人たちの力も働いてるのかもしれません。
そうするとエネルギー政策に対する大きな転換が絶対必要になる。
それが係わってくるといわゆるメジャー系に対する牽制球というのは色んな形で出始めますよね。
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