平和条約交渉。期限設定は「有害」露大統領

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このニュースは肝心な事が抜けているといういつものパターン。
これは本記という記事で、事実一本で書いてある。
でも最後に解説めいたものがくっ付いてる。
「これで期限を切った」と。
俗にお尻を切るという言い方をしますけど、どんな交渉でも例えば「今日までに合意しましょうね」というのといつまでもズルズルやってるのは大きな違いがあるから、そういう話みたいな解説がしてあるんですが違います。
元々期限付き交渉になんかなったことが無いんだから。
「これは日本の有識者の質問に答えたこと」と書いてあるけど日本側の呑気印のワンパターン質問なんですよ。
「期限はいつまでですか?」「期限切ってやるんですか?」というのは必ず聞く人が居る。
それが一番本質的な質問だと思ってる。
で、その質問に答えて言ってる事であって、狡猾なプーチンさんがそのありきたりな質問をパッと捉えて重大な事を言ってるんです。
期限を設けられないと言ってるんじゃない。
そんなの当たり前ですよ。
設けると言った事無いんだから。
そうじゃなくて領土交渉については期限設定不可能だけど自分が来日して長門市に行くという事は、経済協力先取りという意味じゃないですか。
頂くものは先に頂く。
「頂いたからといってじゃあ1年以内に領土交渉を決着させますよなんて事は俺は絶対言わねぇよ」と言ってるんですよ。
だから狡猾だけど、こうやってぽろっと本音も出るんです。
だからみんなの懸念は当たってるんですよ。
プーチンさんの頭の中は、資源安で弱ってるロシア経済、今弱ってるだけじゃなくて立派な国産車、特に全自動運転が、もうNHKニュースで初めて大型トラックがアメリカの国内を実際のものを積んで輸送したという事をやってた。
今まで軍用車ではあったんだけどそれがいよいよ民間の車で公道に現れていて、全自動運転に僕はもともと反対ですけどこれは絶対に止まらないんですよ。
でロシアはなんとかそれに乗りたい。
それを先にやってしまって、領土というのは常にそのための、後押ししてくれるいい話。
「領土領土領土領土」と言っておけば経済協力が先に来る。
本当は平和条約締結の前に日本人が血と涙と汗で築き上げてきた技術力をタダで差し上げるという話で、本当はお金付きなんだけどお金と言ったって今ロシアに無償資金援助なんてまさか、少なくとも大規模には出来ないから民間企業に投資してほしい。
しかし民間企業の立場からしたら危なくて投資できないうえに、交渉で日本が不利な条件を飲むんじゃないか?という事を企業はみんな心配してる。
というのはロシア経済は今そう悪くないんですよ。
明らかに底を打った。
原油が今1バレル50ドルくらいで一時期よりましになってる事もあるけど、エリツィンの時のロシア経済が破綻に瀕していた状況とは全然違う。
ある意味そこが狡猾なところでプーチンさんはロシア経済が悪い振りをしてる。
普通一国のリーダーが自分の経済を悪いとは言わない。
発展途上国なら別だけど、サミットに来ようかという様な国が普通はそういう事言わないけどどうも悪い振りをしてて、「ロシア経済悪いからチャンスだ!」と日本がのめり込む。
とくにエリツィン大統領と橋本龍太郎総理の時代にエリツィンさんは非公式に「四島を還す」と言った事があるんですよ。
そういう瞬間があったくらいロシア経済は悪かった。
その時の記憶は実は安倍総理にもあって、安倍総理は勉強家で野党時代から無茶苦茶勉強されたので、日ソ日露の交渉史というのは本当に良く頭に入ってる。
予算委員会で感心して聞いてました。
日ソ日露問題の専門の学者並み。
あのややこしい経緯が良く頭に入ってるなと思うんですけど、だから余計に安倍さんとしてはロシア経済が悪かった時にあと一歩で四島が還って来そうだったという思いがある。
するとプーチンさんとしてはロシア経済が悪い悪いと言ってたら、あの時の記憶があるから、だから優れたバッターが前に全然打てなくて三振してたボールを本当はオフシーズンに徹底的に学んでそのボールこそ打てるようになってるのにピッチャーはその成功体験があるから、その時と同じスタンスでバッターボックスに立ってたらそこに同じ球を同じ急速、同じ曲がり方で投げてしまう。
するとカキーン!とベアードの満塁ホームランみたいに打ち返されてしまう。
そういう風にロシアがずーーーっと待ってるというニュースなんですよこれは。
だからこれは期限云々の話じゃなくて解説を後ろにちょこっと付けるんだったら「経済協力先行というプーチン大統領の本音が出ました」と書けばみんなが「ああそういう意味なのか」と分かるわけです。
したがって日露の交渉というのは今年12月15日に向けて安倍政権の命運を左右するだけじゃなくて日本が国家たりえるのかという事まで含めての大問題になっているニュースです。
関連書籍 プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア
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