中国人民銀「理財商品」の規制強化に乗り出す

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これはニュースを読むだけでは何のことだか分かりません。
シャドーバンキングという言葉を聞いたことありますか?
銀行だけど銀行じゃないみたいな。
どういう事かというと、この理財商品というのはシャドーバンキングで流通しているもので、しかし通常の銀行でも販売してるもの。

理財商品の残高が現時点で420兆円、2、3年前までは300兆と言われてたんだけど、この420兆円が仮に吹っ飛びます、という事になるとサブプライムショックどころではないとずっと言われてきた。
デフォルトにすでになってしまっている理財商品もある。
理財商品って何かというと「高利回りの投資商品」と記事には書いてあります。

中国は2010年に金融引き締めに政策を転じました。
中国が今まで経済成長していく一つのモデルは、地方の自治体を中心にしてバブルを起こして経済を膨らませる事。
で地方が融資を受けて、そして色んな不動産開発やインフラを作ったりという事をずっとやってきてたんだけど2010年の金融引き締め以来、資金の調達が中々難しくなった。
じゃあという事でそういった地方政府と関係の深い民間の投資会社がこういった理財商品を売り出した、一般の人からお金を集めて。
でそれを投資に回すという事をやってきた。
今までは銀行からお金を借りてたんだけどそうではなくて「一般の人の懐からかき集めてしまえ」という事をやった。

中国の一般の人たちは結構勝負魂のある人が多いから。
15億人総ギャンブラーみたいな国なので、理財商品の特に利率の高い物が売り出されるとワッとみんな行くんですよ。
だから理財商品というのは結構人気がある。
銀行そのものもこれを代売してます、窓口で。

しかしこれがある時、次々とデフォルト(債務不履行)状態に陥った。
この中には、かき集めるだけかき集めたのはいいけど実際には戻せない物がかなりあるだろうというのは実は前から言われていた。
ただ中国の場合こういった情報がきちんと明らかにならない。
だから余計に怖い。

そういったシャドーバンキングで流通している理財商品の残高が現在のところ420兆。
この内デフォルトに陥る可能性の高いものがどれくらいあるのか?
正直分からない。

中国の最近の経済の中で注目しなきゃいけない点は、中国当局が一般人の懐からなんとかお金をかき集めて経済の活性化に使おうという政策が色々ある。
その一つが理財商品だし、株式市場に関して去年も突然株価が暴落したりしたんだけど、要するに株式投資をものすごく一般の人達に煽ったりした。
そうすることによって株式市場の価格を維持する方向に持って行こうという様な事を国が一生懸命号令をかけてやってみたり。

今回出てきた、事実上現行規制では資本の積み増しが不要である風になってるんだけど、これも妙な話で要するに今現在これが融資の中に計上されてないという事なんです。
変でしょ?
そこをちゃんと見えるようにしたというのはいいのかもしれないけど果たしてそれがちゃんと守られるのかどうかもあまり定かではない。
そういう意味でシャドーバンキングのシャドーというのは陰にあって何となく実態が見えないという事でずーっと恐れられている。

なんでシャドーバンキングみたいな言葉が生まれてくるのかというと表の銀行を綺麗に見せかけるためにこういうものが存在してるから。
だけど表だけ綺麗に見せかけたってシャドーの部分でこれだけ債務がある、しかも焦げ付く可能性のあるものが相当あるのだとすれば同じことでしょ?
国際的にも懸念の声は相当高かった。
ですからこれに関して今後多少なりとも色んな形で規制が加えられていき、そして実態が見えるようになってくるとか、或いは市場規模の抑制という意味合いは確かにあるんでしょう。
僕が知る限り2年で100兆円膨らんでいるし、これが全てかどうかも分からないので、「これはさすがに問題だ」という風に中国当局も認識したんでしょう。
で中国の人民銀行が今回規制をしますよというニュースだったんだけど、ようやくかという感じなんですが、だけど本当にその規制は効くんだろうか?

もし完全破綻という事になると金融上のリスクだけじゃなくて民心のパニック状態たるや凄いものになると思います。
一昨年も一つデフォルト状態になった時、人民が押しかけて凄かったですから。
ですからそういう事は今後も起こり得るし、今までもひょっとすると起きていたんだけど分からないだけだったのかもしれません。
中国の金融システムの不透明さ、そして国際的な基準からすればまだまだ後進的。
そんな状態でAIIBなんか運営できるわけないでしょ。

AIIBみたいなものを作って国際金融の世界に乗り出していこうとしているというのは金融によって世界の覇権を握る事を目指しているという事がある一方、今までの中国のバブル的モデルが国内で段々通用しなくなってきた。
その結果がゴーストタウンです。
中国では鬼の城と書くんですけど、開発して作ったはいいけど、巨大なマンションやショッピングモールが複合的になっているものは出来たけどテナントも全く入っていなければ住む人も全く入ってない。
そういうものが沢山出来ている。
それももう飽和状態にあるから中国国内ではそういうものをこれ以上作れない。
いっぱいセメントとか作ってるけどセメントも売れない。
建材もダブついている。
それを外に押し広げて行こうとしてる。
で東南アジア諸国に融資の審査が緩いまま貸し付けて、そしてどんどんインフラを作るという事をやって、中国国内で行き詰ってしまったバブルモデルを外に拡大していこうとしてる。
だからAIIBのニュースが最初に出てきたときにも中国はどうしても日本を引きずり込みたかった。
日本の持っている資金や金融機関を運営するノウハウを日本人を引き入れることで自分たちのものにしたかったんでしょう。
日本の金を使って、日本人を使って、で北京流の国際金融機関なるものを作ろうとしてたんでしょう。
だから一生懸命色んなところを煽って、「なぜ日本は入らないんだ?バスに乗り遅れるぞ」って僕は最初からこんなものに入るべきじゃないと警告してました。
つまり中国型バブルを世界中に輸出しようという話でしかないわけだから、そんな不健全な事に日本が加担すべきじゃないし、中国というのはそもそも自国の金融システムがこんな体たらくですから。
ですからこの理財商品の行方も今後目が離せない。
理財商品は中国国内の問題ですけど、今後それが引き金になって様々なパニックを引き起こして世界にそれが余波として伝わり大変な事になる可能性があるという事です。
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