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警告解除用コード入力、詐欺容疑の元副支店長

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この一連の事件の報道を聞いてみて、テレビだろうが新聞だろうがさっぱり分からないという人が多いんじゃないか?
なんでこんな事が可能だったのか?

南橋容疑者は叩き上げの銀行員でずっと営業店を周っていて、要するに銀行業務に極めて習熟していた。
そして今回の犯罪をするにあたって一つ盲点を見つけた。
普通の銀行員だったら気が付かないような盲点を見つけた。
じゃあその盲点は何だったのか?
まず架空の企業をでっち上げて口座を作りました。
そして例えば分かりやすいように1ドル100円の為替レートの時にある取引が行われた。
例えば100円がその企業の預金口座にあります。
それをドル転にした。
そうすると1ドルになります。
ところがそのレートを弄って100円10ドルのレートにしてしまう。
そうすると100円入金してるから10ドルになってしまう。
ところが現状のレートとは違うから警告が来るんですよ。
「これはおかしなレートですよ」という警告が来るんだけど、ただここ最近の為替レートは乱高下が激しいからそういうエラーメッセージが来ても「これでいいんだ」と。
要するに「お客さんとの関係もあるし、今はそういう取引をしてるからこれでいいんだ」という事でエラーメッセージを解除するコードというのがある。
その解除コードを入力できるのは特定の権限がある人しか出来ない。

普通はそんなレートでやり取りなんかするわけがないです。
ですからあんまりそのコードがあるという事自体が知られていない。
加えてそのコードを発令するための権限を南橋容疑者が持っていた。
という事があって要するにレートを10ドルにすることが出来た。
それをもう一度円転と言って円に変えます。
そうすると1000円になってしまう。

ただ、伝票が残る。
伝票が発生します。
「入りました」「出ました」。
これについては偽造していたという事。
だから誰も見つけられない。
幾重にも、つまりそういったコードが存在していたという事自体も知らない人が多いし自己完結させてしまってる。
自分の権限でやってるからチェックが効かないし。
という事で発覚されなかった。
結果的にそれを見つけたのは国税。
国税で「脱税してるよ」とか「税金納めてないよ」という事じゃなくてたまたま通常の検査に入っていたら「あれ?これおかしくない?」という事になって銀行側に「なんかおかしい取引があるんだけど?」と言うので調べてみたら「これは明らかにおかしい、一体誰がやったんだ?」という事になってしまった。
だからある意味で完全犯罪です。
この報道に接した銀行員の中には「俺でも出来るな」と思った人も居るはずです。
だからこれからどうやってこの盲点を塞いでいくのか?
とは言っても為替がダアアアッと動いてる最中に「エラーです」というメッセージが来たとしても「これはお客さんとの約束でこの前のレートでやってるから」と。
それは必要ですよね。
要するにコンピュータに任せて全部排除するということは出来ない。
色んな人と人とのやりとりだから。
お客さんとの関係もある。
要するにそういった適正レート以外の取引が山ほどある。
ただ10倍になるような極端な取引は無いけどね。
ちょっとずれちゃうような場合はある。
それをどうやって処理するのか?
その幅をどうやって設定して行くのか?
「じゃあ狭くすればいいじゃん」と思いました?
いやいや狭い範囲でやろうと思えば出来ちゃいますよ。

後日談があって、もう一つ発覚する可能性があったんです。
それは何かというと銀行預金口座にかなりのお金が積み上がっていく。
数億円単位が積み上がっていく。
そして一定程度のお金が積み上がると、このお金は普通預金口座にあるわけだから要するに「うまく運用しませんか?」というセールスが行くんですよ。
銀行の方からアプローチが行く。
「そのままじゃ勿体ないですよ」と。
銀行にとってはそれが飯の種だから。
当然使ってないお金が滞留していたらそこにアプローチを掛けるというのはイロハのイだから。
でも来られちゃ困る。
存在しない企業だし、尚且つカラクリがばれるから。
だから南橋容疑者はせっせせっせとATMからお金を引き出していた。
しかしそのお金の持って行き場が無い、使う場が無いから自宅にずーっとため込んでいた。
それが4~5億あった。
だからさほど大きく損害が膨らまなかったという。
11億持って行かれたんだけど自宅に行ったら金が積んであったっていう。
だから「とんでもない奴だ」と言われてるんだけど意外と小心者なんですよ。
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