カジノ法案復活の動き、公明柔軟姿勢

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これは色んな問題を孕んでます。
色んな切り口、見方があって一つは政局としてこのカジノ法案をとらまえて行くという見方。
もう一つは霞が関の陣取り合戦という側面からこの法案の行方を見るという見方。
もうひとつが、じゃあなんでここへ来てIR(カジノを含む統合型リゾート)が盛り上がってきたのか?というと新興国、中でも中国人観光客を取り込んでくるんだ、或いは爆買いの延長線上で、要するにシンガポールやマカオへ行っていた中国人のお金持ちをドーンとこっちへ持ってくるんだみたいな、ある種産業政策としてのカジノ法案というのは色んな切り口があるんだと思う。

そもそもこの法案を巡っては公明党が反対をしてきた。
何故かというとカジノイコール博打という側面が強くて、公明党の支援団体の創価学会で最も力を持っている婦人部が中心になって厳しく向き合ってきたという経緯がある。
だから公明党としては後ろ向きだった。

シンガポールには二つの大きなカジノがある。
それぞれ5000億くらい掛かる。
このお金をどうやって調達したのかというとファンドを組んで投資家からお金を集めるという形で資金調達をしてきた。
じゃあカジノというのはIRの中でどういう位置づけなのかというと「カジノがしたい」という事が別に中心じゃなくて、国際会議場だとか見本市会場であるとか要するに都市の活性化、或いは国際化、或いは経済成長を考えていくと大きな会場を持っているという事は都市力の向上に繋がるんですよ。
ところが基本的にそういったものは儲からない。
赤字が出る。
その穴埋めのためにこういったカジノが位置付けられているというケースがある。
先ほどの話に戻りますが5000億ずつ集めました。
これのメインで資金調達を仕切っていたのが実は日本の三井住友銀行。
三井住友銀行がそういったセッティングをする。
どういうセッティングかというと「これだけの金が必要です。年間にこれだけの収入が見込まれます。したがってこれはきちんと返済して利回りも確保できるんです」というプランニングをしたのが三井住友銀行。
カジノを作るのはいいけど、じゃあどうやって資金調達を図るんですか?
どういった目的でやるんですか?というのが本当は一番の問題。
その辺があんまりよく見えてない。
IR全体の絵をどうやって描くのか?
そうやって考えていくといろんな候補地が挙がってるけど、建設できるところがそんなに沢山あるわけじゃない。
横浜、東京、大阪が精々で長崎というのは厳しいんじゃないか?
カジノだけだったら別ですよ?
ただカジノの大義名分としては資金を捻出するために、或いは日本の国力の向上のためにという建前があるからこそ公明党というか創価学会の方も「それならば」という今流れになってる。
そこを抜きにして「カジノだけです」という事になると政治的には合意形成が難しい。
だからどういった絵を描くのか?
それが日本の国の中でどういった意味合いを持ってくるのか?
というところをもっときちんと提示しないと、国民も含めた合意形成は難しいと思う。
それをやらないとマカオみたいになっちゃう。
要するに中国の下品な金持ち集めて「どんどん金巻き上げろ」なんて事をやってると、それで今どうなってますか?
もう見る影もない。
だからまず絵を描いてほしいと思います。

世界中色んなカジノがあるけど例えばアメリカはネイティブアメリカン政策から始まってるところがある。
ネイティブアメリカンの人たちにカジノ経営が許されて、その居留地と言われてたところでのカジノが建設されてという事はあります。
アメリカの場合はちょっと離れたところにある。
ニューヨークのマンハッタンの真ん中にカジノは無い。
でラスベガスの様な砂漠の真ん中に突如としてカジノがドーンとあって、あそこも一時期はちょっとブラックな世界だったんだけど90年代に浄化作戦みたいな事があって、でファミリーで楽しめるリゾート、そこにたまたまカジノがありますという形に変貌して健全な存在として蘇った。
リゾートのコンセプトとしてはこういったラスベガス型というのがマカオで参考にされてるしシンガポールのカジノもそうです。
ただこれを日本でやるためには色んな前提をまずクリアした方がいいと思う。
というのは例えばシンガポールは、中国系の人たちが持っている悪癖を排除しようという事で作った国。
要するに博打、売春、ドラッグ、この三つが中国人を全部ダメにしてきた。
これだけは一切入れないという事でやってきたクリーンな国というのがシンガポール。
それからその三つ以外では衛生面。
道に唾吐いたら罰金とか。
割合中国人たちはその辺は今まで大らかにやっていたんだけど「それは一切ダメよ」と。
街は綺麗でなきゃいけないし、色んな事がクリーンでなきゃいけない。
そして役人の汚職に対しても厳しく取り締まってきた国。
そういう国がカジノを作るという風に至った中で一番心配されたのか「国民が博打漬けになるんじゃないか?」という事。
一応国民がカジノに入るための入場料が結構高い。
だけど実際には入場料が高くてもやってる人はやってます。
ただ今ちょっと下火になってる。
もう一巡してある程度飽きちゃったという感じもあったり、外国人客というか主に中国人ですけどその人たちの入りも下火になった。
だからやっぱり一つのツーリズムの起爆剤と考えるんだったら必ず飽きられるという事はある。
それに対して莫大な資本が必要だという事になるから、そこは本当に採算性という意味でちゃんと採れるのか?

それからアメリカなんかでは繁華街から割合遠いところにわざわざ作ってある。
それは教育上の事、風紀上の事を配慮して。
日本はなんだかんだ言って国が狭いですから。
それを東京や横浜や大阪やという市街地に非常に近いところに作ろうという時には色んな事を考えなければいけない。

もう一つ懸念してるのは、日本はすでに博打をものすごくできる国なんですよ。
公営ギャンブルだけじゃなくて言ってみればパチンコもそうです。
「パチンコはギャンブルじゃない」という言い方をしてるけどそんなものは詭弁であってあれはもうギャンブルなんです。
パチンコ店を作るのにも一応の規制はあるけどそうは言っても駅前降りたら殆どパチンコ店があるじゃないですか。
つまり電車に乗って駅に降りたら博打を打てる国なんですよ。
であっという間に万単位で擦る。
そんなことが出来る先進国って聞いたことが無い。
ですからそもそもこれだけ博打がカジュアルに出来る国なのに更にカジノですか?
どういう様な考えでいるんです?というのはちょっと思います。

カジノを運営する一番のポイントは回収です。
大口で負けた人からの回収。
それを専門的に請け負っているエージェントみたいなのが国際的に存在してる。
それとカジノがいくらファミリー向けだのなんだのと言ってみても必ず裏ではトラブルがある。
そういうところをお客さんに全く気取られないように処理するだけの一種の警察能力。
ほんとの警察という意味じゃないですよ?
ある種の暴力装置を備えた抑止的な力というものをどうやって確保するのか?
日本はそれがおそらく一番難しいでしょう。
表向き素晴らしい遊びの空間が約束されているという事は、こういった危険みたいなものを裏で速やかに処理する仕組みが無いと無理なんですよ、綺麗事だけでは。
そこを本当にやりきれるのか?
本当のポイントはそこだと思います。
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