手打ち

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ドゥテルテが今、要するに南シナ海の問題で中国との一番最前線にいる大統領。
ところがどうも中国と手打ちという様な事をやってしまった。
というのは日本ももちろん参加したんですけどASEANの会合がラオスでありました。
それと丁度このところASEANのリーダーが日本に続々と来ている。
例えばシンガポールのリーシェンロン首相、それからドゥテルテ大統領の後にミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問、事実上の最高指導者が来るという状況にある中で南シナ海の問題というのはまさしく日本の問題でもある。

中国はあまり日米に南シナ海の問題に介入してほしくないから、先日インドの新聞(Hindustan Times)がこういう見出しを打ってた。
「中国が日本に対して「日本は南シナ海での火遊びをやめろ」と警告した」と。
これ言い回しが殆どやくざでしょ。
本性を現しましたね。
それぐらい国際社会も注目してるんです。
というのはインドも実は最近中国から色んな事をやられてて、特に中国がパキスタンを突っついて色んな事をやるもんですから、南アジアでの会議をインドはボイコットするという発表をしたばかりです。
そういう風に中国は色んなところと摩擦を激化させてるんですけど、ご存知のように国際仲裁裁判所の裁定がフィリピン側に有利に出たにもかかわらずドゥテルテ大統領は「その裁定よりも何よりも、この問題は自分が解決するんだ」という事を言いだした。
無論、日本人のようなお花畑ではないですから一方ではフィリピン軍人たちの前で「いずれ近いうちに一戦交える事があるかもしれないから覚悟しよう」という訓示をしたりもしてる。

でラオスで何が起きたのかと言うとASEANの開幕の時に中国側が作ったあるビデオが流された。
それは何かというと長い歴史の中での中国とASEANの美しき交流の歴史みたいなイメージビデオが流された。
そしてシンガポールのリーシェンロンやミャンマーの人たちはみんな唖然とした。
「なんだこれ?」みたいな。
そういう風な事が起きたにもかかわらず、この会議が終わるときにはカンボジアといった中国に近い国々がお膳立てをしてドゥテルテ大統領に要するに「中国の首脳と握手してください」という場面を作っちゃった。
でまあこの人も握手しちゃったんですけどその場で。
それで手打ちか?という事なんだけどこの裏でさらに中国がドゥテルテ大統領にピンポイント的にある援助を申し出た。
それは何かというと、ここら辺が非常に中国のうまいところでもあるんだけど、ドゥテルテ大統領は予てから「麻薬の容疑者を射殺してもいい」という事でもう既に数千人が殺されたと言われていて、これが結局アメリカやなんかとの関係の中で、言ってみれば災いになってる。
アメリカ側、特にオバマ政権は民主党政権でもあるので人権問題を無視はできない。
だから「ちょっとそれはどうなの?」と懸念を言ったら「余計な事言うんじゃねえ」という大変な暴言を吐いて、要するにフィリピンとアメリカの大統領会談が中止になったという事がありました。
そこを見て中国が「良ければうちがお金出すよ。麻薬患者の専門の治療施設を作る資金をうちが出すよ」という風に言ってきた。
この麻薬の蔓延はフィリピンにとって大変な問題でもあって、彼は荒っぽいやり方でもってそれを解決して行こうとしている。
アキノ政権からこの問題はあったんだけどそういうところまで資金が割けない。
要するにそういった専門的な治療施設を作るというところまでは資金が割けないという事でずっと諦めてきた問題なんだけどそこに突然ピンポイント的に「うちがそれ助けるよ」という風に中国は言った。
「これはありがたいじゃないか。頂けるものは頂きます」みたいな感じで何となくその場が融和的になった。

思うんですけど中国というのは案外そういうピンポイント的なお金の使い方のうまさみたいなものはあって、ハッキリ言ってしまえば一体いくらぐらいかかるのか分からないけどそう大した額ではないだろうという気はする。
別にそれは日本が肩代わりしてもいいというくらいの額だと恐らく思うんですけど、でも日本側にはそういう機転は多分無い。
発想自体が無い、真面目だから。
だからやっぱりその辺が中国のうまさだし、この人の今一番欲しがっているものに中国がスパッと入って行くうまさ。

実は中国のマッチポンプです。
麻薬は中国から入ってるし売人もほとんど華僑系。
それで「私が助けます」。
なんて分かりやすいんだ。

でフィリピンだけじゃなく東南アジアにおける麻薬の流通を仕切ってるのは全部中国人です。
古くからすべてチャイニーズ。
チベットにも麻薬を送る、滅ぼすために。
あれだけクリーンだと言ってるシンガポールだって一応掠ってるんです。
シンガポールも元々麻薬で財を成した一族が基本的にはかなり権力の中枢にいるという事もある。

一番日本で誤解が広がってきたのは「ドゥテルテ大統領は親中なんじゃないか?」という事。
まあフィリピンという国事を考えると今みたいに「くれるものは貰うよ」という世界はあるんだけど、どうも日本のメディアがこの人の就任前後に「この人には中国系の血が入っている」という事をずいぶん言って、「お爺さんかおばあさんが中国人である」という事もですけど本人がそういう事を言ったと伝えてるんだけど、どうもこれは違うみたいです。
側近の親戚筋に確認してみるとどうやら入ってない。
じゃあなんで大統領はそういう事を発言したのか?
側近が言うにはこういうメガトン級のジョークが好きで、ある意味中国に対するメッセージでもあり、腹の中と言葉は違うわけで、ドゥテルテ大統領の本音は「中国はフィリピンを麻薬の市場にしてるんだから、じゃあお前らはその金くれよ」という事で、それと領土問題はまた別の話かもしれない。
ドゥテルテ大統領の外交手腕はまだ未知数だと思うんですが、ただ反米親中というレッテルを貼るのはちょっとまだ早いんじゃないか?
例えばオバマ大統領に対して口汚い言葉で罵ったという事が報道されましたけど、あれもフィリピンの人に聞くと、よく現地の言葉で男性が対峙した時「かかってこい」みたいな軽いノリの現地の言葉でもあったんです。
それがここまで大きく伝えられるというのは国際社会のメディアの恣意的な、フィリピンの大統領に対するイメージ操作があるのかもしれないし、そこに中国の工作が少し入ってるのではないか?
次回に続きます。
関連書籍 北京より愛をこめて―中国大陸、恐怖の麻薬戦略 (1978年) (Sankei drama books)
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