日銀、異例の長期金利に目標導入

2016092101001709.jpg
これは出口戦略の始まりだと思います。
一般的には、経済学者やエコノミストはこういう評価じゃないと思うんですけど、すごく簡単に言うと円を増やすことを今まで黒田さんの強いリーダーシップで進めてきた。
これは今までの日銀総裁と全然違います。
黒田さんはいろいろ文句言われてます。
賛否両論と言いたいんですが実際は袋叩きに近い。
しかし速水日銀総裁みたいなトンデモ総裁や名総裁と言われた人にもいろいろ疑問点はあって、黒田さんも人間ですから「あれ?」っと思う点もありますけど全体には少なくとも日本経済の実力と見合うくらいのリーダーシップ、或いは世界での存在感を発揮した珍しい総裁であることは間違いない。

で、これだけ叩かれてるとどうしても目先を見るようになるし、日銀マンもやっぱり保身的な人が多い。
当然日本経済の先まで見なきゃいけないけど、自分の異動の方が気になるというタイプの人が殆ど。
役人全体がそうで日銀も一種のお役人ですけど日銀は特に多いように見えた。
でも黒田東彦という人は全然違うと思う。
国益を第一に考えてて、実は安倍さんとも意見の違う点を感じますけど国益第一という事はハッキリしてる。
そうするとお金をじゃぶじゃぶ増やしていって緩々にするというのは、やっぱりどこかで出口を作って終わらせなきゃいけない。
まだ日本はみんなの実感としてもデフレが終わったという実感はないし、「アベノミクスは失敗だ」と言ってる人たちと僕は考え方が全然違いますけど、でも中間層の没落、いわゆる中間的な所得層の人が没落気味だという副作用を生んでいるのは間違いない。
今やっていることをいつまでもやれない。
今は政権側も日銀もタイアップして劇薬を使ってる状態だから、いつか普通に戻していくというのがそもそも無いと、それだけでも気持ちが壊れていくんです。
そうすると誰も考えてないときに出口を考えるというのは本来は日銀総裁の役割だけど、そういう事を本当に先へ、自分の身を捨ておいて考えるという人はあまり居なかったけど黒田さんはそうだと思います。

この共同の記事にも「量から金利」と書いてますけどお金をじゃぶじゃぶ増やすだけに見えた日銀が「直接金利を動かしたい」と。
これタブーですよ。
金利ってどなたもご存知の通り、目の前の短期の金利と長期の金利があって例えば国債には3年物と10年物がある。
それだけでも短期、長期って分かるじゃないですか。
で、付く金利が違う。
長期の金利というのは日銀をはじめ中央銀行は触れない。
触れないというかコントロールできない。
というか日銀のホームページに書いてあります。
長期金利というのはどちらかというと中央銀行がコントロールするんじゃなくて、経済、特に資本主義経済は生きてるから、先はどうなるか?それは神のみぞ知ると言っちゃいけないけど、でも分かる人居ないんですよ。
そんなところまで長い手を伸ばして中央銀行が操作しようとすると、それは本来の自由な活力を経済から奪うから、そういう意味でもタブーだし出来るはずがない。
ところが今回それをやる。
当然記者会見でびっくりした記者の側からいくつか質問が出たんだけど黒田さんは「100%やれるとは言わないけど、かなりやれるんだ」という今までの常識を覆す趣旨の事を仰った。
これ全体を通じてみると、やっぱり出口を探し始めたんだと思う。
それだけに残念なのはその後にアメリカが「当面利上げはしません」と発表した。
もしアメリカが利上げしてくれることになってたら、というか「するする」と言ってたんだから予定通りしてくれてたら当然ドルに利子が付くのでそこにお金が行く。
で中国をはじめ新興国は困るからワアワア言ってるけど、ハッキリ言って日本経済にとって当面は助かる。
つまりドル高になるので必ず円安になる。
円安株高も必ず起きるから。
黒田さんはこれを期待してたと思う。
アメリカが言ってた通りに利上げしてくれて噛み合うことを期待してたと思うけど、公平に言うとアメリカはとても利上げが出来るような状況じゃない。

黒田さんはマイナス金利まで踏み込んだ。
当然それが金融機関の収支を圧迫して、日本のエコノミスト、特にテレビに出てる人は裏で銀行と繋がってる人が大変多いので「銀行の収支を悪化させるような日銀総裁は悪者だ。戦争を主導した安倍とつるんで悪い事をしてる」と言う。
信頼できる人も居ますが、どちらかというとマスメディアが囃す人は危ない。
多数派は、マイナス金利を持ってくるような日銀総裁を許せない。
だから黒田さんは日銀本店の中でも間違いなく嫌われます。
自分たちは優れたレーシングドライバーなのにレーシングカーは全部無くなって、サーキットには自転車しかない。
これはそういう話ですよ?
金利無いんだから。
そんな中で、ただ日本経済と日本経済が世界で果たす役割を考えて、それから国民生活を考えてやっている。
黒田さんは自分が日銀総裁を続けたいからという事でやってるわけじゃない。
ほんとは辞めたいと思ってると思う。

で、長期金利のコントロールにまで手を出すというのは主要国では全く前例がないと思う。
それをやるというのは本当に大胆不敵で、成果が出るのか出ないのか?
それは黒田さん自身も本当の確信は無いと思う。
それを「100%とは言わないけど、やれることはあるんだ」と言ったのも凄いと思う。
保身を考えてる人にこんな事できるわけないでしょ?
そんな人は成果が出ると分かってる事しか手を出さないでしょ。
こんなに一挙手一投足が国際的にも注目されるような日銀総裁は極めて稀です。

これって時の政権と表裏一体で独立性を失ってるという批判が出ても当然なのに、ぼろ糞に批判してる人も案外それを言いきれない。
つまりここまで大胆な話を安倍総理といちいち擦り合わせてやってるかというと、それは考えられないです。
政権がブルッてしまう話まで踏み込んじゃってるから。
関連書籍 「マイナス金利」の真相
関連記事

コメント

非公開コメント