米、中国をWTO提訴。コメ小麦の価格つり上げ

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結局考え方の違いがあるわけで、中国は他の点でもWTOの様々なルールを破ってますからこの件だけじゃないんですけど、ただこの件に関して言うならばオバマ大統領が既にアジア太平洋地域に貿易ルール、特に自由貿易にして行こうという流れ。
中国にしてみればこういった穀物は戦略物資ですから「これは別だ」という考え方も分からなくはない。
中国は胡錦濤時代にこういう事が実はあった。
胡錦濤が最後にアメリカ訪問した時、大量にあるものを買った。
それは食料ですけど、大量に食料を買い付けた。
それは何だったかというと大豆です。
僕たちのイメージでは中国産の大豆がずいぶん日本に入ってきてるイメージがあった。
実際今の中国はアメリカやカナダから大量に大豆を買ってます。
それは大豆の需要が大きく伸びたという事もある。
そういった中国国内の需要の伸びに比して、国内産では賄いきれなくなったという見方も出来るんだけどそれだけではなくて、それまで中国は自分たちの国でのニーズというよりは例えば「日本が買ってくれるから」とか色んな事でもって大豆を沢山作ろうとして来たんだけどある時からそういうのをやめた。
そしてこういった主要な食料に関しては自分たちの国家戦略に基づいて何を買い、何を自国で作るかをハッキリと決めよう。
つまり戦略物資とか戦略的という言い方を何故するかといえば、戦略というのは選ぶという事です。
総花的に色んなものを頑張ってやりますというのは戦略的じゃない。
つまり選択と集中ってよく言いますけど、何を大事にするかをハッキリさせるという事が戦略なんです。
そういう意味で人は食べていかなきゃいけませんから、戦略物資という中の穀物というのは非常に重要度が高いもの。
中国はある時から米、小麦、これは出来る限り自国で作る、自国産で賄うという事を決めて、それまで他に輸出できれば出来るだけどんどん増産していた大豆、これは外から買おう。
例えばいざ戦争になりましたとなった時に「大豆はある程度我慢しても米、小麦はそうはいかないよね」という事の意味でもあるんです。
最後の訪米の時、大豆を大規模にショッピングした胡錦濤。
この時日本のメディアはやっぱりお花畑的な取り上げ方をしてて「アメリカで意向を示した」みたいな事ばっかり言ってたんだけど、むしろ中国はちゃんと非常時という事を見据えて自分の国で何をしっかり作るべきか?
自国の何を保護するべきか?という事を割と明確にして来たなという事のむしろ需要だった。
そういう事がメディアであまりにも伝えられず、例えばアメリカ主導のTPPにしてもそうですけど要するにどんどん自由貿易的流れを推し進めていく事がいいんだというフワッとした感じでしかないんだけど、食料という問題は立ち止まって日本は考え直すべきものではある。
例えば日本の米を外に輸出するかどうかという話に関しては、それは日本の米が美味しいから、或いは高く売れるから、だから外で売るという話じゃないんですよ本来は。
米が日本人の主食だというのなら。
米が日本人の主食であるにもかかわらず、じゃあなぜ日本人は国際価格の数倍くらいする高い米を食べてるんですか?
それは米の流通が要するに米の買い取り価格が政府との間で決められる事になっていくからそれに基づいて市場価格が決まる。
そうではなくて例えば減反政策みたいな事をやって日本の市場との調整ではなく完全に世界市場も含めて考えるのであれば、要するに米は山ほど作っちゃって、余った米をどんどん外に対して売ることによって日本国内の米の値段を下げることだってできるんですよ。
そういう方向に行かないで流通は現状のままで、「ちょっとこれが高く売れるからブランド米を外に売りましょう」なんて言ってたら、良い米は外の金持ちに流れて日本人は安い米を食べるんですか?という話になってしまう。
そうではなくてみんながたっぷり自国産の良い米を食べて、且つ余ったものは外に売ればいいじゃないですか。
ですからちょっとその辺に関しては中国の考え方というのも、これはアメリカがWTOに提訴したから一方的に中国だけが悪いという事ではなくて、中国が穀物というものをどのように考えてるか?という事の表れでもあるんですよ。
むしろ中国が今までアメリカをはじめとした様々な国から叩かれる、でWTOに提訴されるという案件では殆ど中国が不当に値段をつり下げているという事の方が多かった。
しかしこの件はつり上げでしょ?
そういう意味合いからもこのニュースというのは要するに穀物という人間にとって非常に重要なものをどのように国家として捉えてるかという観点から見ると、アメリカだけが正義で中国だけが悪いという事には必ずしもならない、生存戦略の原点としてみれば。
ですからそういう風な観点がむしろ日本に足りない。
「何でもかんでも輸入してくれば買えるじゃないか」という事も言えるんですよそれは。
安く外から買ってくることも一つの知恵でしょうし、買う事によって相手国に一定の影響力や圧力を与えることもできるけど、最終的に生存できるぎりぎりのところを想定した場合、米に代表される穀物を日本では一体どう考えるか?
この根本的なそれこそ戦略が日本に無い。
でやれ「日本人の米離れ」だとか言ってるけど、例えば米の価格が今の数分の一に落ち込んだ時に本当に米離れはさらに伸張するんだろうか?
意外に、米が高いから米離れが進んでるという事ももしかしたら言えるかもしれない。
そういう事も考え合わせてこのニュースを違う観点から是非見て頂けると、国家とは何なのか?何を図るべき所なのか?という事をちょっと考えさせられますよね。
ですからTPPで中国をけん制して行くという事も一つの考え方ではあるけど、貿易という事に関してどんどん世界が自由貿易の方向に向かって行けばすべてハッピーという事ではないと思います。
関連書籍 アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!
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