対ロシア経済協力相を新設、世耕経産相が兼務

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経済協力をする代わりに領土問題を進展させたいという事ですか?
僕はこれについてはちょっと懐疑的です。
大臣ポストを新たに作ることで姿勢を示すというのかアピールするという事だけであればそれはそれでまあ良いし、そういった外交上のやり方もあるんでしょう。
だけどやっぱりかなり日本側だけが前のめりになってどんどん経済協力をしていく。
それで向こうも何かするだろうというのはちょっと甘いし、そういう見通しは殆ど無いと思っていい。
ロシア人相手にそんな甘い考えは危険です。
ただ妥協しようと思えば、それが出来る人はプーチンしか居ないでしょうね。
彼の支持率は高いですから、彼が妥協したとしても政治的には被害を受けないでしょう。
しかしロシア人がもうたくさん住み着いてしまってる。
これ解決が遅くなりすぎたという気がします。

ただアメリカはあまりこの事を歓迎してません。
要するに日本とロシアがより直接、関係を強くしていくという事についてはあまり歓迎してない。
それをさておいたとしても、もちろん狙いは分かるんです。
というのは対ロシアという事だけではなくて、この地域の情勢を見た時に中国に対する牽制もあってロシアとの経済的結びつきを強めるという事はそれなりに意味はあるんですよ。
だけどそれによってロシア側が軟化するというのはちょっとあまりにも甘いと思います。
そこはさすがに安倍総理もそんなに簡単にいくとは思ってないんでしょうが、狙いは分かるんですけど本当にうまく行くのか?

「12月に訪日」とか「平和条約の締結に意欲」なんていう文言が出てくるのは、やはり何らかのシナリオが相当ソチの段階でもう出来上がってたんじゃないか?
昨年の暮れの人事でロシア大使が変わって、日本側からは一番のエキスパートと言われる上月さんが大使になった。
その時点から目まぐるしく動きがある。
ですから落としどころという言い方は変ですけど日本側が思い描いて、あちら側からもそれなりの返事を今のところは貰っている。
でも最後の最後ロシアがどういう裏切りをするかも分からないから何とも言えないんですが、日本側が思っているシナリオは要するに領有権は日本にある。
しかしもう既にたくさん人も住みついているから施政権は当面ロシアが持つという様な事。
そして二島に関しては先行してこちらに返還していくという様な事があるのかもしれませんけど、問題なのは沖縄本島よりも大きな択捉、国後です。
特に最大の島である択捉島。
ここの実効支配というのは近年新たな空港を作ったり、港も作ったり、相当進んでる。
それとロシアの数少ない財閥みたいな企業と言ったらいいのか、水産関係の仕事をしているコングロマリット(複合企業)が択捉島の運営にものすごく深く係わっている。
ですから択捉島でやっている水産加工業というのはそのコングロマリットが主導してやっている。
その会社というのは運輸関係の仕事もやっているものですから島内の色んなインフラ整備の様な事も、まあ日本側の目で見れば万全とは言えないんだけどやっているという事はロシア側は手放す気が無いんですよ。
ただ領有権が日本にあるという様な事で日本側は名を取るという感じでしょうか。
但し、より北方四島にもっと深く係わっていく事で逆に日本側も今後実効支配的な係わりを強めていく事が出来るんじゃないかという恐らく希望的観測はあると思います。
だから領有権はあるんだけど自治区みたいにするという事で、これは世界でもちょっと例のない事だと思います。
だから日本ロシア間での一種の変な意味での一国二制度的な、二国の間にあるちょっと不思議な所みたいな。
そんな事を恐らく描いておられるんだと思います。
そういったロシアとの、安倍政権になってからの色んな経緯も世耕さんは安倍さんの側にずっといましたからよく知っているという意味でこの担当大臣をやるという事だと思います。
ですから全然何も無いということは無いでしょう。
プーチンさんが日本に来るというのも、まあ恐らくそういう事。
わざわざ来るんだったら何かの合意をしないと。
本当は一年くらい、もっと前に来る予定だった。
ところが日本との関係以外のところの情勢が色々影響して中々来日が実現しなかった。
それで一年くらい伸びてしまったという実態がある。
ですからあちらも日本との経済協力に関しては喉から手が出るほどという感じ。
ロシアは産業が無い国ですからそういう意味で向こうも非常に望んではいる。
但し日本側が一応向こうとそれなりに内々に折り合ってると思うシナリオ通りに本当に行くのかどうか?
だけど日本の外交って意外と楽観的すぎて、で騙されるんですよ。
でもこの件に関してだけは取りっぱぐれが無いようにしてほしい。
積年の、という感じですから。
ロシアに北方領土取られたとか、それからロシアが最後北方領土に攻めてきたこと自体がね。
関連書籍 北方領土交渉秘録―失われた五度の機会 (新潮文庫)
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