尖閣は「日本の施政権下」米外務省、改めて言及

尖閣は「日本の施政権下」米外務省、改めて言及
アメリカ国務省の報道部長が「尖閣諸島は日本の施政権下にある。これを損ねるいかなる行動にも反対する」と言った。
これ聞いてどう思います?
施政権下ってなに?
つまりアメリカは決して日本の領土だとは言わないんですよ。
要するに今日本の施政権下にあるからアメリカとしてはこれは許せませんと一応言ってる。
ある時中国が尖閣を取っちゃったとしましょう。
中国の施政権下に落ちた瞬間にアメリカは関係無くなるという事なんですよこれは。
つまり「領土問題は存在しない」と日本は言い張ってる。
アメリカは1970年代に自分たちが領土問題を仕掛けたという経緯もあり、70年代の後半から例えばアメリカの軍事を俯瞰したレポートやなんかにはディスピューテッドアイランド、要するに紛争の島々。
「そこに紛争がある」ともう70年代から言っちゃってる。

71年の段階で中国が突如として尖閣諸島に対して領有権を主張し始める。
その経緯は何だったのかというと要するにあの近海に石油があるから。
アメリカも元々は「ここは日本の領土である」と認識してた。
当時の日本政府にアメリカ側の石油メジャーの代理人が試掘をさせると言ってきた。
ところがそれに対して日本側はあまり色よい返事をしなかった。
日本の石油会社もそこにあることは分かってて、いずれ日本サイドで試掘をどうするかという風な事を検討しなければいけないからという事でアメリカ側の試掘を断った。
その時にアメリカは台湾を焚きつけるんです。
当時はまだアメリカと中国は雪解けしていませんから、その時にアメリカは台湾の中華民国と国交があったので焚きつけて「尖閣は自分のところのものだ」と言わせた。
こういう経緯があったからアメリカとして尖閣諸島の領有権に関して「これは日本の領土である」と明言は絶対にしません。

尖閣諸島には島が5つあるんですけど恐らく日本人は全部の名前を言えないと思う。
魚釣島は言えるでしょうけど、あとは北小島と南小島があって、久場島、大正島がある。
数年前、石原元都知事から尖閣諸島を買うという話があった。
で、みんなでお金を集めました。
その時購入するという中に久場島と大正島は含まれてないんですよ。
何故かというと大正島はもともと国有です。
久場島に関しては個人が殆どの土地の所有権を持っているんですが、この二つの島に関しては古くはアメリカの射撃爆撃の練習場として日本政府が提供しますよという関係になっていた。
ところが1970年代後半くらいからアメリカは一切これを使っていないので事実上提供を放棄していた。
そのころからアメリカ国内のレポートにはディスピューテッドアイランドという風に明記されてるんです。
ですからアメリカはもともとこの問題に関しては、要するに日本の領土だからどうのこうのという様なスタンスじゃないんです。
ある時もし中国が電光石火で尖閣を落としちゃったとしましょう。
そうなった時にはアメリカだって困りますけどその事に対してアメリカが物凄く主体的に動くかと言ったらそういう事にはなりません。
歴史的経緯からならない。
したがって日米同盟があるからアメリカはそれなりに出張ってくれるんじゃないか?とか、或いは施政権下にあると国務省が言ったから何となく安心じゃないかと日本人が思っては絶対にいけません。
その事を日本国民がきちんと認識するように伝えられていないという事がまず大変問題です。

しかもアメリカとの間の日米安全保障条約というのは極めて簡単というかあまり詳しい事が書き込まれていない条約なんですよ。
ですからその都度日米との間で色んな事が協議されてそこに肉付けがされて具体化されていくものなんです。
で、この尖閣諸島に関しては去年の日米2プラス2という要するに双方の外務大臣と防衛大臣、その話し合いで指針が出されているんですけどその11年前に「日米同盟、未来への変革と再編」というのを2プラス2で出している。
この時に要するに米軍の再編という事に向けてこれからどのように日米同盟を運用していくかという様な事が決められた。
その中で尖閣諸島に係わるであろうと思われることが一つ書かれているんだけど、この「未来のための変革と再編」という中の大きな2番目の2のところに「役割、任務、能力の基本的考え方」という項目がある。
その2番目の項目に「日本は弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった新たな脅威や多様な事態への対処を含めて日本を防衛し周辺事態に対処する」と書いてある。
「このため防衛計画の大綱に従って防衛体制の強化」と書いてある。
どういう事かというと要するに島嶼部(尖閣も当然含まれます)への侵略といった新たな脅威については日本が守ると書いてある。
アメリカがとは一言も言ってない。
こういうところでアメリカはちゃんと打ってあるんです、自分たちの逃げを。
そして次の項目で「米国は日本の防衛及び周辺事態の抑止、対応のために前方展開兵力を維持し必要に応じて増強する。そして日本の防衛のために必要な支援を提供する」と書いてある。
この事の意味は重く受け止めるべきです。
で去年の2プラス2の時はさすがに東シナ海が騒がしくなっていたのでもう少し踏み込んで「日米が協力して作戦に当たる」という事が書いてある。
但しやっぱり根本はここなんですよ。
要するに島嶼部の防衛に関して、或いは今までに想定できなかったような弾道ミサイル、ゲリラ、特殊部隊、こういう新たな脅威に対しては日本が日本を守れと書いてある。

さあ、それに対抗するだけの力を今十分に持っていますか?
それは武器や兵器を持っているかという事じゃなくて法整備も含めてやれる体制にあるのかどうか?という事が問われているんです、10年経って。
ですから思い出すだにおかしな感じだったのは昨年夏の安保法制の審議の時に、なんかよく訳の分からない反対論があった。
反対するのは結構なんですけど、こういった新たな、島嶼部に対する明らかな侵略ですよ今起きていることは。
これに対してどうやって本格的に対抗するのか?
そしてそれは「いずれアメリカが出張ってくれるだろう」じゃないんです。
やっぱり日本が主体的にやれるかどうかという事。

外務省のホームページからも入れます。
タイトルは「日米同盟、未来への変革と再編」、これは2005年に作られたものです。
それの大きな2番目の2段目の項目にこういう文章が出てきますので。
それがベースになっています。
ですから「施政権下にあると言及しました」というニュースをやたら各メディアとも発信してるんですけど、むしろ日本にとって何の支えにも助けにもならないものですから。
こういう事で国民を欺いて安心させるような事はやめてください。
関連書籍 「尖閣問題」とは何か (岩波現代文庫)
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