日本のマスメディアの内なる病魔

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総理という本。
これを書かれた山口敬之さんはTBSのワシントン支局長でした。
その前は、国会の院内で与党キャップをやっていて、ずっと院内を駆けずり回っていた人です。
TBSで麻生さん安倍さんに非常に食い込んだ人として有名だった。
その後ワシントンに行ってスクープを出した。
慰安婦像を在米韓国人が作っていた。
「こんなに日本人酷かったんだ、こんなに日本人は韓国の性というものを無茶苦茶にしてくれたんだ」という事を訴えるために沢山の像を作っていて、山口記者はワシントン支局長になってその様子を見て驚いた。
「なんでこんなネガティブキャンペーンが世界中でされているんだろう?」という事で山口敬之記者はワシントンDCに詰めながらアメリカ軍の様々な情報を紐解いていった。
するとベトナムで韓国軍がベトナム人女性を性奴隷にして慰安婦所を作り慰安婦として扱っていたというスクープを実は撮るんですね。
それを一度TBS本社に持って行き「韓国軍はこんな事を言ってるけど韓国だってやってるぞ、これは大きなスクープじゃないか?」と言ったんですがそれをTBSは握り潰そうとする。
「いやそれは多少の物的証拠があったとしてもテレビ的には音声が無いから強くないよね?」という風に言うんですね。
そこで山口記者は諦めきれずに様々なアメリカ軍関係者に話を聞いて、韓国兵がベトナム人女性を慰安婦として扱っていたという事をもうインタビューオンベースで撮るんです。
「これで文句ないだろう、さあ作ろう、出そう」と言ったらTBS上層部から「弊社としては比較的反権力、つまり権力に対してちゃんと監視役であろうという姿勢を取っているのに、これはどちらかというと安倍政権に利することになるのではないか?」という理解不可能な話と共にスクープを握り潰すんです。
しかし山口敬之さんは「ジャーナリズム、ジャーナリストという観点は事実を粛々と積み上げて、事実を視聴者の方々に知ってもらって判断してもらうのが務めである」という事で週刊文春に駆け付けるんですよ。
週刊文春で今スクープを連発している名物編集長に持ち掛ける。
そして「お気持ちは分かりました」という事で週刊文春の大スクープという事で何と韓国軍が慰安婦を使っていたというスクープをぶち上げるわけなんですけどTBSは山口さんのその手法を問題視という事で山口さんはワシントン支局長からなんと営業局に左遷されます。
その後山口さんはやっぱり現場でどうしても事実を伝える仕事をしたいという事でTBSを退社して全てを捨てフリージャーナリストとして本を書く。
この本で山口さんは、安倍さんが第一次安倍政権として辞任するという出来事の裏側からこの本ではどういう会話がなされて、どういう相談を安倍さん麻生さん本人たちからされて、菅さんにどういう話が渡ってというところから全て事実だけを書いてるんですが、ほとんど内容が小説に近い。
強烈です、この本。

政権の監視役という言葉。
これイギリスで1890年代に持ち上がってきたポリティカルモニターという要は政権の監視役をするんだという価値観が誤訳されている一番悪い例。
コンプライアンスと同じです。
変な風に曲がってる。
政権が暴走した時にその監視をメディアがする事は第4の権力として素晴らしい事だと思います。
ただメディアの役割は単に政権の悪口を言う事だという風に誤解しているメディアが日本のメディアでは多い。
やってる事が監視じゃない。
ですから同じことをしても自民党の政治家がやるとガンガン叩くんですが、野党の政治家が同じことをしても一切不問にするでしょ?
これがおかしい。
それをやると2009年みたいな事になっちゃう。
文句言ってる人が政権を担当してどうなるんだというのは日本人はもう分かってるんですよ。
野党も政権与党になる可能性があるわけだから、同じように叩かなきゃいけない。
なのに甘利さんのは懸命に叩くんだけど山尾志桜里さんのガソリンは放っておく。
違うでしょ。
同じようにやらなきゃ。
甘利さんを叩いてもいいんだけど、山尾さんも叩かなきゃ。
そのが無いのはおかしい。
それをすごく痛烈に感じる本なので自信を持って皆さんにお勧めできる本です。

山口さんの取材活動の結果明らかになった韓国軍のベトナム戦争における慰安所、慰安婦の問題というのは歴史的な事実を言ってるわけで、それが何で安倍政権を利することになるのか意味が分かりません。
繋がりが分からない。
山口さんは沢山のスクープを取っているにもかかわらず「安倍の犬」という風にTBS社内で陰口をたたかれる。
結局その偏見のままやってるんです。
考えられません。
日本のマスメディアの内なる病魔みたいなものも実は裏テーマとして描かれてます。
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