Black Lives Matter part2

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アフリカ系アメリカ人はこのBlack Lives Matterをどう思っているのか?
苦笑いしてました。
苦笑いしつつもちろんあんな運動はいいと思ってないけど、ただやっぱり相変わらず警察が、たとえ地位のある人が自分の車である高級車のトランク開けててもトントンとやられてしまう。
要するに警察からどうしても肌の色が黒いという事だけで物凄く偏見を持たれる現実がいまだにある、このアメリカにおいて。
ですからそういう事に対して反発を覚える人が居たり、そういうのは止めてくれという声が上がる事まで全面否定はできない。
だけどこのBlack Lives Matterの人たちというのが過激化し原理主義化しているその中でどういう事が起きてるかというと今年の初めにカリフォルニアのある大学で大問題が勃発した。
それはどういうことかというとその大学の学生会がある論客を講演に呼ぼうとした。
この論客ってどういう人かというと30台前半の非常に若い保守系論客で、今流行りと言っちゃなんだけど要するに自分のラジオ番組とかネット動画でどんどん発信してる人で既存のメディアから出てきた人じゃない。
この人は元々15歳で大学に行ったという天才で32歳にしてもう保守系論客なんですよ。
で、この人を呼ぼうとしたらその大学の中のBlack Lives Matterの活動家である教授が自分のフェイスブックで「あんな奴呼ぶなんて大問題だよ、これ黙って見てていいのかい?」という事を発信した。
するとそれに対して学内に居る学生のBlack Lives Matterの活動家たちが「いや、そんなことタダで済ますわけにいかない」という荒っぽい言葉が集まって大騒ぎになり、大学側がこの対処に困って講演会を延期しようという事になった。
延期するにあたりただ単に延期するんじゃなくてもっと多くの人を交えた討論会にしたらどうか?という話になった。
でも学生会としては「これは自分たちが自主的に呼ぼうとしたものなので大学側がそういう事でケチを付けてくるのはいかがなものか?」と大反発した。
若手の論客も「そんな事で屈するわけにいかない」という事で実際には警護を付けて講演会をやった。
そりゃそうですよ。
この人の話を聞きたいから来てくれと頼んだんだから。

でBlack Lives Matterの活動家たちが保守系論客を潰そうとするときに言う事というのは例えば「多様性が無い」だとか或いは「この人の言ってる事は人種差別だ」という事。
でも実際には彼は言ってなくて、彼がどういう演題で講演しようとしたかと言うと要するに「差別という問題が違う問題を孕んでいるよ」という事。
昔々マーティンルーサーキングが「すべての人に平等に権利を」と言ってたんだけどそうじゃなくてBlack Lives Matterに代表されるようにマイノリティーであるという事がむしろ特権になってしまう。
それはおかしいんじゃないのか?
これは新たなアメリカ社会の問題になってるよという様な事を言おうとした、つまり「いやそれはむしろマーティンルーサーキングの精神に反してるんじゃないか?」という事を言おうとしたんだけど「そんな事を言わすなんてとんでもない」という事で発言の機会まで奪ってしまった。
これはアメリカの比較的中道な人の意見によれば、「日本でもそうかもしれないけど保守系論客の発言の場を奪う左翼的な人たちの常套手段です」と言うわけです。
カリフォルニアは特に開かれたところというイメージがあるのにそこでのこういう事件もあったりしてかなり大問題になった。
そういうBlack Lives Matterのやっている事というのが何故か不思議なんだけど日本で全然知らされていない。
根深い。

ですからこれはずいぶん前から言われてたことなんですがアメリカには少数民族優遇政策がある。
もちろんそのおかげで自分は高等教育を受けられたとハッキリ言ってる人も居ますからそれはそれで社会の中でその事による恩恵を受けそしてより良きアメリカ社会のために働いている人たちも居る。
でアメリカの差別の構造というのは中々日本にいる私たちが想像できないところがある。
歴史的にも奴隷制があったわけですから、それは日本には無い激しい差別。
今でも、冒頭に書いたように非常に社会的地位の高い人でも肌の色が黒いという事だけであらぬ嫌疑をかけられるような場面すらある。
そして一部が過激化してしまい、自分たちと意見の違う人を完全に封じてしまうような事は、むしろ彼らが建前にしてる多様性と逆に行くんじゃないの?という事で大変な対立の火種になってしまっている。

今アメリカの中でも黒人たちの運動の中に実は黒人社会の中のコンサバティブ(保守的)な運動も出てきてる。
どうしても黒人の家庭にはまだまだお父さんが居ないとか或いは貧困の問題を抱えている人も多くてそういう子供たちに対してお父さんの代わりの教育をする。
どういう事かというとアメリカだと例えば男の人のマナーがある。
紳士として振る舞えとか、簡単な事で言うとネクタイの絞め方とかそういう家庭でお父さんが教えることを教えられないで育つ子供が居る。
そういう子たちのお父さん代わりになってボランティアの人たちが紳士になる事を教える。
こういう運動をしてる人たちも居る。
ですから黒人運動と一口に言っても昔のようにとにかく公民権をという事とはちょっと違う。
今はもっと多様化してる。
その中で今ある意味非常に注目されていてこの人たちの存在そのものが議論の的になる様な、そういう勢力。
最近だとトランプ候補の集会にも現れたりして色々妨害なんかもしてる。
ただそういった原理主義、過激化したような人達が居てそのリーダー格が大学の教授というのはどうなの?

新しい人種間戦争の火種というよりも同じ人種のはずの黒人同士の間にも下手すれば深刻な対立が生まれかねない。
マルコムXの時からそうなんだけど黒人の運動家の中でややそういった過激な方向に行く人たちというのはイスラム教に改宗する人が多い。
今回のBlack Lives Matterのカリフォルニア大学での一件の時にちょっと煽ってた先生もムスリムみたいな名前なんですよ。
だから恐らく生まれ落ちた時にもらった名前じゃなくてイスラムに改宗した時に付けた名前だと思うんですけど。
しかももう少し複雑なのがカリフォルニアの大学に講演に来ようとしていた若手の保守系論客はユダヤ人なんですね。
ですからイスラムとユダヤの間の対立というのもある。
多くの黒人でイスラム改宗者という人たちはやっぱりどうしても嫌ユダヤ的な傾向が強いというところもあって大変複雑化してる中でのこういった先鋭的な勢力があるという事。
これがあまりにも日本のメディアに載らないのは恐らく説明するのに尺を要するというかちょっと複雑なので説明が難しいという事もあるかもしれませんけどこういう人たちの動き、活動というものがあって、色んな事件の直接の原因じゃないし直接構成員がやってるわけでもないんだけど背景の一部にはこういう事もある。

追加情報としてトランプ候補の演説のみならずクリントン候補の演説も遮ったりブーイングして邪魔したりしてる。
だから要するにAll Lives Matter、すべての命が大事だじゃなくて黒人の命こそ大事だという黒人原理主義になっちゃってるという批判が非常に強い団体。
「肌の色じゃないんだよ」とずっと言ってきたのが過去の運動の建前だったはずなんだけどこの人たちはむしろ肌の色が黒いという事を尊重しろという事なので、昔のブラックビューテフルよりもう一歩行ってる。

オバマの名演説がありました。
「ブラックアメリカでもなくホワイトアメリカでもなくアジア系のアメリカでもなくあるのはユナイテッドステイツオブアメリカだ」と言った。
これとは全然違う状況になって来ちゃってる。
今までと全く違う多様化した、一部で過激化した人達も出てきているという人種間の対立。
そこにまた宗教やら価値観やら、最近ではLGBTに対する向き合い方でも相当対立が深くなってきている。
こういう風にアメリカもいい方向に行ってません。
その中での今の大統領選挙。
まさに情勢は複雑怪奇。
関連書籍 完訳マルコムX自伝 (上) (中公文庫―BIBLIO20世紀)
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