英のイラク参戦「失敗」、ブレア政権の判断批判

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独立調査委員会があるというのは、ある意味優れた部分ではある。
事が済んでからではあるけど独立というぐらいですから完全な第三者機関として判断が正しかったのかどうかを議論する。
これは意味がありますよ。
日本にはこういう機関が無い。
ですからこれは日本が見習っていい部分だと思います。

ただブレアさんは「参戦の判断は正しかった」と言ってすぐさま記者会見で反論してるんですけどその一方で、「でもイギリス国民に対して申し訳ない」という事も言ってる。
さらに「皆さんが思う以上に私はこの事を深く受け止めて振り返っていますよ」という様な事も言ってるんですよ。
それはまた何でなの?という話なんだけど、あんまりこの事を長引かせても得が無いという風にご本人が判断したと思います。
少しは謝っちゃえというスタンスで、全面的に自分としてはこの事をちゃんと真摯に受け止めてますよという事でもうそろそろ幕を引きたいという事はあります。
というのはこの人は退任以後、首相を辞めてから中東関係のコンサルを結構やってるんですね。
そこら辺がちょっと分からない所でしょ?

ですからイギリスの中東への関わり合いというのはホントに一筋縄ではいかない。
抜け目がない。
要するにこの人たちが中心になって結局今までの中東の指導者を全部追い払って枠組みをぐちゃぐちゃにしちゃったわけですよ。
そのぐちゃぐちゃにしたところにコンサルと言って入って行って色々やる。
元々動きがマッチポンプ的ですから。
だからこそイギリスという小さな国が七つの海を支配できた。
つまり非常にそういう点が巧みであり作戦的であり、表面で何言ってるのか、何考えてるのか全く分からない。
矛盾したことをいくらでもやる。
そういう政治力と、コンサルと言うと聞こえはいいけど山師みたいな事をやりながらの、何も持ってないんですけどイギリス自体はそういう事で生きてきている国なのでまさにブレアさんもそういう人。
ですからこの人の今現在のビジネスへの差しさわりも含めてあんまり長引かせても得が無いと考えたので割合にあっさり反省の弁なんかも述べているというのが今現在です。

人は良さそうだし誠意もありそうだし言葉もちゃんとしてるけど実は日本人はその裏を読むことが出来ない。
もう典型的なイギリス人です。
奥さんの出産の時に一緒にお休みを取るようなソフトなイメージなんだけどなんのなんの典型的なイギリス人。

日本も本当の独立性をどうやって担保するかというのは相当難しいと思いますけどそういう機関が出来てもいいと思うんですね。
ただ日本の場合は外に出て行って国益を掛けて戦争するという事が今現在あまり無いから、じゃあこの独立調査委員会でもって戦争しなきゃいけない事柄って一体何があるんだろう?
例えば東電の福島原発、あれも政府系の調査機関しか無くてそれと独立したものが無い。
委員会には御用学者しか出ないというスタイルで「とにかく幕引いちゃおうよ」という事であんまり急いで引いたものだから後でどんどん問題が出て処理できない。
そういった類の問題というのは沢山残されているんじゃないかと思うので、もし本当に独立性が担保できるのであれば日本でもやったらいいんじゃないかな。
政治資金規正法なんかまさにそうで、言ってみれば泥棒に法律作らせるようなものですから。
だからそれを第三者的に精査させるような機関というのはあっていいと思いますけど本当の第三者性、中立性というのをどうやって担保するのかが問題ですね。

国民の全体的なレベルが上がってこないとダメだという面はあると思う。
冷静に議論できるとかね。
例えば自分たちの旗色が悪くなったら相手側の応援演説を妨害に行くなんてのはダメですよ。
違う意見を持っている人と本当に冷静に対等に議論するという基盤がもっとできないと無理だと思います。
その点では日本国としての歴史は古いけど、イギリスは民主主義というか自分の意見と違うものを冷静に聞ける、そういう文化は少なくとも貴族サイドにはあると思います。
関連書籍 ふしぎなイギリス (講談社現代新書)
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