緑の日の丸

緑の日の丸
日の丸というのは日本の国旗の通称ですよね。
それと似たような国旗を持つ国がある。
二か国ありますけど一か国はパラオで水色に真ん中が黄色です。
もう一つはつい先日ですけど日本人も犠牲になった大変痛ましいテロがダッカというところで起きましたけどバングラデシュの国旗、これは緑地に赤の日の丸です。
これはどういう由来かというのは諸説あって、緑の大地に血を流して、つまりベンガル人の国を打ち立てたという事ですからそういう様な意味合いとも言われている。

2014年、バングラデシュの首相が日本に来られた時にこの首相のお父さんがバングラデシュの建国の父と言ってもいい方なんだけど「自分の父は日本の日の丸をイメージした」という風に、まあこれは日本に対する多少リップサービスがあると思うんだけどそういう様な事も言ったりしてる。
一つの意匠として太陽をイメージしたような丸を中心に描く、これはまあ割と考えそうなことだなあとは思うんだけど、でも私たちとしては非常に親しみの沸く、そして緑というのはイスラムの色でもある。

今回大変残虐な事件があってそこで日本人が犠牲者になったというとても残念な事があったのでバングラデシュという国に対して相当マイナスのイメージを抱かれた人も相当居ると思うんですけど一方でベンガル人という人たち、ベンガルというのはバングラデシュの人たちという意味なんだけど日本にも80年代から結構働きに来られてたりしてる方も多くて、ただ当時残念だろうなと思ったのはその人はバングラデシュから来てるんだけど日本人の殆どの人がバングラデシュという国を知らないからめんどくさいからインドから来てると言ってると言ってました。
で「インドのどの辺?」ってたまに聞いてくる人が居るんだけど「カルカッタよりもっと東」と誤魔化してたんですよね。
そんな事だったんだけど実際にはベンガル人と呼ばれる人たちは非常に親日家が多い。
それからベンガル人の中で日本に縁のある人を言うと東京裁判のパール判事、そしてインド独立運動のチャンドラボースもベンガル人です。
そういう意味で日本の近代史に係わりのあった人達もベンガル人。
それから映画好きの方なら絶対知ってると思うけどサタジットレイ。
この人は大地のうた 《IVC BEST SELECTION》 [DVD]という映画の監督で多分東洋人としては最初の頃だったと思うんだけどヨーロッパの映画賞を取ったりした大映画監督。
この人もベンガル人なんですよね。
ですからベンガル地方というのはバングラデシュだけじゃなくてもっと広いんですね。
実際はコルコタの東という様にインドの大体東側の方からずーっと一体が実は旧来からのベンガルと言われている。

インドの言葉は沢山あるんですが第一公用語のヒンディー語をモディー首相が今それを本当の意味での共通語にしようと言ってますがそれともかなり違うんですね。
そういう固有の言語もある。
そしてベンガル地方というのは独特の文化もあって元々は黄金のベンガルと言ってすごく豊かなところだった。
水が大変豊かだからやっぱり農作物が豊かに実るという意味もあるし、イギリスが植民地にする前からかなりここは農産物が採れて尚且つここを東インド会社も最初に足掛かりにしてインドに入って来るんですよ。
ですから世界に向けても非常に開かれていた場所だし、英領時代もここから多くの文化人というのか文化的にも大変高度に発展していってたところなんですね。

ベンガル人の国を作ろうという動きはずいぶん前からあるんですね。
英領インド独立前からそういう動きはあったんだけど大分前からそういう民族的な動きに対してイギリスの植民地政府はデバイド(分割)するわけですね。
デバイドする中でベンガル人の中を割っていく工作が入る。
ここで使ったのが宗教なんです。
イスラム教徒のベンガル人とそうでないベンガル人、ヒンドゥー教なんかを中心とした人達というのは居るわけですよ。
ここでまずデバイドが起こる。
その結果として後にバングラデシュという国は殆どイスラム教徒のベンガル人の国として独立するんだけどこれはパキスタンから独立するんですね。
要するに東西パキスタンと言ってた時代があるんです。
だから昔は今のパキスタンは西パキスタンだった。
で東にもパキスタンがあるという事だったんだけどそれはベンガルの人たちにとってはパキスタンじゃないですから。
だからそれは耐えがたい事なわけです。
ですから非常に苦難の中で独立戦争、バングラ独立戦争というのを戦ってバングラデシュという国を作る。
但しその結果世界最貧国に落ちてしまう。

ここは大変多く雨が降るところなので、今も普通の時に洪水してるみたいな、街の中がそういう感じになっていて日本大使館の建物でさえもよく浸水します。
ですからインフラが未整備だという事もあるんだけどやっぱりインフラ整備もしにくいところなんです。
凄く雨も多いし沼地も多いところなので中々インフラの整備が追いつかない。
そういう中で今回の事件というのはそういったバングラの国のインフラだとかそういったものを整備するための一環として行った人たちが犠牲になってる。
ですからこれは大変残念な事。

バングラは2年前に首相が来たとき一生懸命親日アピールをしてた。
そして更に言うと洋服やなんかでメイドインチャイナに変わってメイドインバングラデシュというのを最近結構見るようになってきてる。
それはやっぱりバングラデシュが生産拠点として適してるという色んな判断がある。
中国はもう人件費が上がってきている。
それから色んな労働争議的な事も起きてきたり或いは日本を中心にした外国に対するいわゆる反感みたいなものを色んな時に政治的に使うというような面倒な面があるからバングラデシュの方が良いんじゃないか?
ただバングラデシュ唯一最大の弱点はインフラの未整備。
洪水が起きやすいという事。
これを克服するために各国が色んな援助をし、人も派遣しという様な事をやってきてるんだけどこれが今回の様な事で恐らく止まります。
例えばジャイカはすでに撤収すると発表してますから。
ですからこれは痛ましい事件ではあったけどこんなに早く撤退って事を言っちゃったのは良い判断だったのかなあ?どうだったのかなあと思います。
そうなるとますます自称イスラム国の思うつぼというかテロリストの意に屈してしまう事になるし、中国に変わる生産拠点と言われながら中国資本もバングラでは動いてる。
そうすると日本みたいに何か事件事故があったらすぐ引いてしまう国じゃない国の草刈り場になってしまう可能性も非常にあるわけで、それはバングラデシュの人たちにとっても我々にとってもいい事なのかどうか?
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