EU、英に移民で例外認めず。市場参加に条件

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これは一言で言ってしまうとイギリスに対して「いいとこ取りは認めません」という事になる。
要するにEUから離脱したことによって何らかのメリットが生じるようなことになるとオランダも含めて他の国々も続々と離脱に動いてしまう。
そうするとEUの中心国、例えばフランスとかドイツの立場に立って見るといいとこ取りされた格好になる。
かといってあまり厳しくしてしまうとイギリス経済に対してマイナスのダメージを与えてしまう事になる。
そうなってしまうと今度はヨーロッパ経済全体を見ても急に大きな問題が発生する可能性が高い。
やっぱりそこは回避しなければならない。
非常に難しい選択を迫られているはずなんですよ。
加えてイギリスロンドンの金融の中心地シティはヨーロッパの金融の中心地になってますから、要するにそこで株式の売買であるとか或いは社債取引であるとかイギリス以外の国々もその恩恵を得てるわけですよ。
ところがイギリスがダメージを受けてしまうと自分たちの恩恵が失われてしまう事にもなりかねない。
だからあまり厳しくも出来ない。
さあどこが落としどころなのか?

ノルウェー型が一番現実的な離脱の方法ではないのか?
かつてEUの前身のECが結成されたときにやっぱりイギリスは一歩引いていた。
その時にEFTAというヨーロッパ自由貿易協定を作ってECに対抗するような経済陣営的なものを作った。
ECがどちらかというとドイツフランス軸でやっていたものだからそれにイギリスは対抗するような動きを見せた。
その中にノルウェーとかアイスランドとかそういった国々が入っていた。
ところがイギリスは自分が作った経済同盟関係なのに脱退してEUに加わるという訳分かんない事をやった。

ノルウェーは高福祉国家です。
そこで人の移動、移民の受け入れをやってしまうとEU協定では移民であるとか出稼ぎに対して要するに労働条件、社会福祉制度に関して自国民と差別してはいけませんよ、同等に扱いなさいという事になってる。
ところが北欧の高福祉国家にとってみると自国民で何とか歯を食いしばって作ってきた高福祉制度を移民に侵食される、簒奪されるのがやっぱり忍びないという事で「EUには加わりません」という形で旧EFTAとEUの間で協定を結んだ。
その代わり負担金は払いますよ。
お金を払う事によって加盟が認められている。
そういうケース。
結果的に人、物、金の移動の自由は確保されているんだけどそれがイギリスにとってもヨーロッパにとっても一番リーズナブルな方向ではないのかという主張をロンドンエコノミストなんかがしている。
僕もそれが一番穏当な落としどころじゃないのかなあという気がしてならないんですよ。
ですから「イギリス許せない、徹底的にやるんだ」という過激な方向に行ってしまうとこれからのヨーロッパ経済、世界経済も含めて厳しい状況になってくるのかなと思います。

やっぱりEUの制度そのものが多くの欠陥を抱えている。
通貨は統一しました。
様々な制度は統一しましたという事なんだけど財政の統一は行われていない。
どういう事かというとこういうようなイメージをして頂くと分かりやすい。
日本に47都道府県あります。
東京というのがドイツ。
生産性も高いし経済力もあり税収もふんだんに集まってくる。
他の県はEUに加盟してる県だと考えてください。
通貨も円で統一されてる。
結果的にどういう事が発生するのかというと最低賃金を見てみると秋田県とか沖縄県というのはギリシャでありポルトガルなんですよ。
ところがギリシャやポルトガルが財政上厳しくなって破綻寸前なのかというとそうじゃなくて要するに東京で挙げた税収をきちんと分配する仕組みがあるじゃないですか、国というものを介在して。
それで財政が一体化していれば結果的に平等な体制が維持できるんですよ。
ところが財政が一体化してないと秋田の人たちや沖縄の人たちは東京から物を買うだけ、サービスを享受するだけ。
結果的に売るものが無いから財政破綻になっちゃうんですよ。
それはおかしいでしょ?
そうしないためにはやっぱり財政上の統合というのが必要なのにそこをやってなくてドイツがいいとこ取りをしてるんですね。
そういう問題点が残っていてそこに何らかの手立てを講じないとオランダや他の国々にも間違いなく問題が出てくると思います。
次回に続きます。
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