地位協定改定に首相消極的「相手があること」

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地位協定というのはなんか日本が不利だというイメージが凄くあるんだけどアメリカ軍は世界中に展開してるんですよ。
その中で日本の基地が一番労働者の技術とモラルが高いのでアメリカにとっては大事なんですけどいずれにしても外国の軍隊です。
外国軍隊のアメリカが世界に展開するって事はどこ行っても外国軍なんですよね。
だから例えばイタリアならイタリア、ドイツならドイツ、フランスならフランスでアメリカ軍という外国軍の扱い方、地位を決めなきゃいけない。
例えばそれはその国の領土を米軍基地に使うわけですからその使い方をどうしますか?
どういう場面になったら返されるのか?
それから今回みたいに何か犯罪が起きてしまうと誰が逮捕して誰が裁判するのか?
という事を犯罪の時だけ問題になるけど本当は土地の使い方から何から全部協定、一種の条約、条約の中に協定があるみたいなものですけどどこの国とも決めてる。
で実は日本とアメリカの中の日米地位協定が一番マシなんです。
それはどうしてかというとダークサイドで言うと沖縄で海兵隊の事件が多い。
何故かというと合衆国の軍隊の中で海兵隊は侵略軍なんですよ。
敵地に乗り込んで行って死ななきゃいけない任務を負ってるのが海兵隊の皆さんなんですけど、それは敵地というけどその国の領土ですから一種の侵略軍でそれが今までのアメリカ軍の根幹なわけです。

アメリカ軍の特徴でもある侵略軍としての海兵隊の司令部が海外にあるのは日本だけです。
したがって沖縄問題というのは海兵隊問題です。
で海兵隊の皆さんはハッキリ言うと犯罪歴のある人も居る。
それはどうしてかというと真っ先に行って死ななきゃいけないので普通の神経じゃいられない。
そのために沖縄の米軍基地問題って凄くラフに言うけど本当は海兵隊問題なのでやっぱり事件が多い。
例えば同じアメリカ軍でも空軍とか海軍の将校の兵士が起こす事件の割合よりも海兵隊が事実として多い。
ただ海兵隊って話してるとほんとにナイスガイ多いんですけどね。
沖縄嘉手納でも空軍基地行くと悲しくなるくらいカッコいいわけですよ、偉そうともいえる。
海兵隊は全体として背が低くて貧しい家庭の人が多くて、でもほんとに素朴でいい人多いんですけど、でも犯罪率はやや高い。
そういう事があるから日米地位協定は諸外国よりましなんですがアメリカ軍が何で日米地位協定を改定したがらないかというと一番ましな日本との間の協定をよりましにしちゃうとドイツも韓国もイタリアもどこもワアワア文句が出て収拾付かなくなっちゃうのでそれで基本的に嫌なわけです、改定したくない。
改定したくないから運用と言って動かし方を変えましょうと。

1995年に幼気な少女を米兵3人で寄って集って強姦するという無茶苦茶な事件があってその後「好意的に配慮する」という言葉が使われるようになって協定の中に入って、「決まりはこうだけどなるべく日本に有利なように」つまり日本の力で裁判にかけられるようにしましょうねという風になってる。
だからこの記事というのは「改定に消極的であって相手がある事」ってそれだけだとすごく嫌な事に見えるけど要するにアメリカ側の姿勢というのは考えざるを得ないという事、従来通りですよと言ってる。
ところがここに安倍さんの作戦があって「それだけで済まさないよ」というのがすでにアメリカに伝わっていたのは翁長知事とわざわざ会ったから。
で翁長さんに会ったら嵩にかかるように「日米地位協定を改定しろ、中央政府はおかしい、特に沖縄の翁長知事が仰ってる事は全部正しいんだ」という事をガンガン言って、メディアはそれだけを報道して、それは沖縄の地元メディアだけじゃなくて東京のテレビ朝日もNHKも全部翁長さん側に立つことを分かったうえでわざわざ会った。
で翁長さんはさらに「オバマ大統領に会わせろ」って事もハッキリ要求したわけだけどこれは筋違いであって、国を代表してるのは安倍総理なので、問題ごとに地方自治体の首長に会ってくれなんて言ったらじゃあ内閣総理大臣って一体何なのか?って事になりますから。
これ地方自治とは全く違う問題であって翁長さんのこの要求は全くおかしいんですが翁長さんは「これを大統領に言ってくれなかった」と言ってまたその話をわあっとメディアが流してますよね?
でもこれ翁長さんは今非常に胸を張ってる。
事件は実際に悲しんでると信じますよ?
まさか事件を悪用するってことは無いでしょう。
でもこれハッキリ言うとまんまと安倍さんにやられてるんですよね。
オバマさん上手に安倍さんに使われてるんですよ。
つまり翁長さんと会って翁長さんの口を借りてどんどんアメリカにきつい事を言ってもらうって事をやった上で、そして飛行機を降りたばっかりのオバマ大統領にガンガン迫っていったというのが昨日の日米首脳会談。
いやあ最近の安倍外交って、僕は色々意見の合わない点もあるんですけど、でもこの強かさというのは、翁長さん本当にコロッとやられてますよね。

それで肝心の昨日の日米首脳会談でどうなったかというとそもそも日本の報道だと日米地位協定については事前にもうこんな事言っちゃったんだから首脳会談で出さないだろうと言ってた。
僕は出す出すと言ってました。
まさかとか言われてましたけど、そしたら昨日「日米地位協定」とちゃんと安倍さんは言って首脳会談で出してオバマさんと会談してその会談の中でも深夜の共同記者会見でも安倍さんからキーワードが出たんですよ。
日米地位協定については正しいやり方、もっと正確に言うと安倍さんこう言ったんですよ。
「あるべき姿を不断に追及する」。
不断にというのは常に絶え間なく追及する。
これをNHKはしっかり時間も取って放送してたんですよ?公共放送ですから。
でも解説委員が「あ、これ運用の改正の事です」と簡単に言ったんだけどハッキリ言うと全然取材不足で、安倍さんのこの言葉だけだと「改定しないけど運用の仕方を一生懸命いつも考えましょう」って事で終わるんだけど、あらかじめ打ち合わせたとおりオバマさんはそれに合う言葉を言ったんですよ。
つまり「日米地位協定は日本の司法が犯人を追及するのを妨げない」って言ったんですよ。
これは安倍さんの言葉と実は響き合ってて、日米地位協定の改定と言ったら例えば起訴するまでの身柄をどうしますかという細かい所の改定の事をずっと言ってたんですが、日米水面下でこれが実現するかどうか分かりませんけど、米軍の軍部の説得が必要だから。
でも実は条文を変えようとしてるんです。
つまり条文の中にすべての定めは米兵であっても、つまり公務中の米兵であっても基本的に全体に日本の司法による刑事訴追を邪魔しない、阻害しないって言葉を使ってて、これはある種万能条項です。
好意的配慮という「なんだ、友達同士の雑談か」みたいな話から一歩踏み込んで、解釈によっては全部を縛るような日本側に有利になるような条項を入れることを考えましょうという意味なんです。
これは安倍さんの決心としてはオバマさんの様な優柔不断な人はもちろん優しいという面もあるから、人を思いやる気持ちがあるから、もちろん歴史遺産を作るという野心もあるから広島に来るんだけどやっぱり被爆者、どろどろに溶かされた人たちの事を考えた。
何故か?
黒人の大統領だから。
やっぱり差別された側に立った人だから。
そこから初めての大統領なので思いやりがあるって事を安倍さんも考えて、安倍さんなりにオバマさんと付き合ってきて人付き合いが上手じゃないなあという印象を安倍さんは持ったりしたんだけど、でもこれも安倍さんの良いところとして申しておきますが人の良いところを見る人です。
実は政治家には比較的珍しい。
政治家は選挙っていう厳しいものがあるからどうしても人の良くない所を見る。
でも安倍さんは例外で人の良いところを見ようとするんですよ。
でオバマさんのいいところを見たら「今しかない」と。
この無残な事件が起きてしまって、二十歳の女性が一番酷いやり方で人生を奪われるというこの事件が起きてオバマさん自身が苦しんでてそれはオバマさんの昨日の顔つき見てても分かりますし、昨日酷かったのは日米首脳会談で共同記者会見やるでしょ?
で日本側が日米の話を質問するじゃないですか?
で次に日本人の記者が聞くでしょ?
その後外国人の記者が行くと日米なんか全部無視して「アメリカがグレナダに侵攻したのをどう思うか?」とか「アメリカの政治家の発言をどう思うか?」とかアメリカの話に勝手に変えちゃうんですよ。
昨日もあったんですよ。
沖縄の事を話してるのに全然違うタリバンの話、「これ大統領が許可してなかったんじゃないか?おかしいんじゃないか?」って聞いたわけですよ、それも延々と。
また始まったと。
アメリカが偉そうなのは政治家よりもメディアとハリウッド映画なんですよ。
夕べもそれをやったらオバマさんが質問に答える前に「沖縄について私は話す」と言ったんですよ。
会見場は静まり返りましたよ。
そしてオバマさんが苦痛と悲しみを見せて、口先だけじゃないってのが分かりました。
その上で安倍総理に対して「日米地位協定というのは日本側の司法がちゃんと訴追できる事を阻むことは無い」という事を言ったので、それを書きこんでくれないと公平なニュースと言えないんですよ。
外交努力をどういう風に日本の総理がしているのかというのはまさしく選挙前の重大な判断材料で、「そんな事言ったって足りない」と思う人も居れば「今までの外務官僚任せの日本外交の中では随分良くなったんじゃないか?」と思う人も居る。
そういう賛否相成す議論を喚起するための記事なのに、良い生の言葉があったらわざと省くような記事を作っちゃダメなんですよ。

安倍さんとオバマさんの響き会った言葉。
つまり「日本の司法の邪魔をしません」という、あえて言うと万能条項を本当に入れられるかどうかはこれからの僕たちの世論の力です。
関連書籍 本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (戦後再発見」双書2)
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