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VW 欧州でも排出札不正、他メーカーも調査へ

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ディーゼルエンジンの排気ガスの問題はアメリカの車なんですけどあまりに多い。
アメリカの車はよくあるんですけど運転席の横に煙突があってそこからモクモクと黒煙が上がる。
こういう車はアメリカでよく見ます。
自動車には排気ガスがつきものだと皆さん思ってますけどそれは間違いで、自動車の中に入るのはガソリンとか軽油とか炭素Cと水素Hの化合物が入るわけですから。
だからもしもエンジンの中で完全燃焼することが出来たら出るものはCO2二酸化炭素と水。
つまり空気中にあるものしか出ない。
だからエンジンと言うのはもともと排気ガスが出ないのが本当なんです。
じゃあ黒いのは何かというと炭素が燃えないでそのまま出てきちゃうという事なのでこれは本来燃料にできるものなんですね。
炭素の塊ですから当然燃えカスですね。
ですからたばこの煙と一緒で若干の発癌性もあるという事で少しずつ規制しようという事になりました。

1980年代から規制が始まります。
我々庶民の身になってみればトラックの後ろからモクモクと出ていた煙は現在100分の1になってる。
この下がり方を見ると日米欧同じペースで下がってます。
そうするとメーカーは辛いんですよ。
だってメーカーと言うのはエンジン開発にどんなに短くても5年、長ければ10年くらいかかるわけですよ。
そうするとよっぽど先を見越してエンジン開発をしておかないと、規制があるから変えるなんてできないわけ。
段々苦しくなって追いつめられる。
という事でメーカーが追い付かないという状態が続いた。

だけど簡単に言えば本来のメーカーの考え方と言うのはエンジンから排気ガスが出ちゃいけない。
水と二酸化炭素以外出ちゃいけない。
そういう信念に基づいてやれば先へ先へ行くわけですよ。
つまり規制が掛かったからやるんじゃなくて自動車会社本来の思想でやればいいんですよ。
それを一番最初にやったのが本田宗一郎で、有名なCVCCエンジンがありますね。
このエンジンは宗一郎さんが「エンジンは排気ガスを出すものではない」と言って作ったエンジンです。
だから皆さんは排気ガスを出すのが当然だと思ってるけど本来はそうじゃないんだという思想を持ち込んだ。
その当時GM、フォード、トヨタなどは大きな会社だから「まあ規制が来たらやろうか、そうしないと儲けが大きくならないから」と言う考えだったんですけど本田宗一郎は「自動車は排気ガスが出るという事自体が問題なんだから積極的に減らしていこうじゃないか」という事でCVCCエンジンを作った。
これはほんとに金字塔ですね。

ディーゼルエンジンの場合は特にNOx(窒素酸化物nitrogen oxides)とPMが多いし発癌性も若干あるという事でドンドン下げて行ったわけですね。
こういう歪が10年ぐらい前から出てて、これまでに4段階の改良をやってます。
エンジンの改良。
非常に精密なフィルターを使う。
白金触媒。
尿素触媒。
この4段で排気ガスを綺麗にする。
そうするとそこを通ってる間に、結構フィルターも目が小さいのでせっかくの出力もそこで圧力損失して消耗される。
そこで考えるわけですよ。
「どうも排気ガスを良くしたら燃費が悪くなるからテストの時だけは燃費は測定しない、同時には。だから排気ガスだけ測定する。その時は排気ガスだけ良くしよう」。
乗ってる人は「排気ガスなんかどうでもいい、俺のガソリン代だけ安ければいい」と思うだろうからその時その時で都合のいい走り方にしようという事をやった。
それをソフトで全部コントロールした。
通常はPMとか排気ガスの汚さを測る時は車は動かさない。
何故かというと排気ガス装置が固定されてるから車は動けない。
だから排気ガスだけ測定する。
そうするとタイヤが回ってない。
タイヤが回ってないという事を車に積んであるコンピュータが感知したら排気のところをフルに動かす。
そうすると燃費は悪くなるけど排気ガスは綺麗になる。
今度は道路に出ると走り始めるから車輪が動いてると言うのが分かる。
車輪が動いてることが分かると今度は排気ガス装置を全部止めてショートパスで行く。
これをやったわけですよ。

絶対やっちゃいけないんですよ。
でも「自動車会社は燃費を良くしろ、排気ガスも綺麗にしろ」と言われて、本田宗一郎みたいな偉い人が居れば「お前たち車は社会的な存在なんだから両方達成しなきゃいけない」と言うんでしょうけど経営陣がポンコツだと・・・
だから経営陣のポリシーが大切なんですね。
経営陣のポリシーがお金に偏ってると「誤魔化せ」のほうになるわけです。
それで結局誤魔化す方を取った。

これを発見したのはアメリカの学生で根気よく各車の排気ガスを調べたら「フォルクスワーゲンだけ高いじゃないか」という事になって発覚した。
これ買う方は分かりませんよ。
我々が車買う時に「エンジンの出力はどうだ、トルクはどうだ」とかいちいち自分で調べませんよ。
日本では国がかなり厳重にやってます。

報道によると社員からの指摘もあった。
これは基本ソフト弄るんだから当たり前ですね。
「そりゃいくらなんでも酷いんじゃないか」という声が上がる。
そしたら部長あたりが「何言ってんだお前、技術者の帽子を脱いで経営者の帽子を被れ」。
つまり技術者としてはそんなこと許されないと思ってても「経営者の帽子を被れ、金儲けが優先だ」っていう言葉があるくらいなんですよ。
技術者はそこで負けちゃいけませんよ。
だけど負ける人も多い。
何年前か知らないけどそういう時期にフォルクスワーゲンも会社ぐるみでやった。

フォルクスワーゲンみたいな世界一のメーカーがなんでこんな事やったの?
ちょっと哲学的な話をします。
戦争に負けた国はドイツと日本なんですよ。
そのドイツと日本が戦後は世界でナンバーワンになった。
負けた国がナンバーワンになった。
勝ったイギリスフランスが没落した。
勝った国が没落し負けた国が繁栄するなら、戦争は負けた方がいいじゃないですか?
だって戦争何のためにやるのかと言ったら、戦争終わった後の社会が良くなるように兵士ががんばって突撃して勝つのに、負けた方が繁栄して勝った方が没落するなら勝つ必要ないじゃないですか。
じゃあなんでドイツ日本が繁栄してイギリスフランスが没落したのか?
話は簡単でそれは英国病なんですよ。
なにかと言ったら既存勢力が残るんですよ。
日本ももし勝ってたら軍部とか財閥が残るんですよ。
ところが日本は負けたものだから軍部も解体財閥も解体された。
軍部と財閥が解体されるとそこから出てきたのは誰かと言ったら本田宗一郎と松下幸之助と盛田昭夫が出てくる。
その後の日本の輝くメーカーと言ったらホンダの車であり松下電器のテレビでありソニーの製品。
こういうのが出てくるわけです。
なぜ彼らが出てきたか?
既存勢力が居なかったからです。
既存勢力が戦争によって居ないという事が非常に大切。

既存勢力は必ず腐敗するんです。
人間の魂の中に腐敗の原因がありますから。
化学的に腐敗します。
大体腐敗は50年です。
徳川時代も50年。
中国も明も秦もブルボン王朝もハプスブルグも全部50年です。
人間の心の中に垢があるんですよ。
「人を虐めよう」とか「俺の権益を守ろう」とかケチな奴があるんですよ。
「銀座の女の子と分かれるの嫌だな」とか山ほどあるわけ。
役人だって最初に霞が関に入るときは「俺は国を変えるぞ、日本を変えるぞ」って言うんだけど45になると「定年があるからなあ」とこうなるわけ。
これは人間の心の問題で仕方がない。
それが社会的に蓄積してどの時代も50経つとだめになる。
フォルクスワーゲンも設立してから50年経って上層部は全部ポンコツが揃うんです。
ポンコツが揃うのでこういう事やるんですよ。
ですからこれは必ず大きな会社がやるんです。
日本で言えば最近の東芝の粉飾会計事件。
日立製作所が冷蔵庫のトップメーカーだったのが、リサイクル大賞を取った。
リサイクル大賞を取ったけど実はリサイクル材料を使ってなかった。
人間の組織は全部50年経ったら腐るんですよ。
何故腐るのか?
僕の心にある「楽したいなあ、この仕事で100万貰ってるからこれは手放せないな」。
こういうケチ根性が腐敗させるんですよ。
当然なんです。
例えば日本の軍部も若干腐敗してましたがこれは日本の軍部が腐敗したんじゃなくて、全部腐敗する。
だから50年経ったら全部片付けるって法律が出来たらいいと思う。
僕がNHKと東大を全部やめちゃえって言ってるのは実はもうNHKも東大も50年過ぎてるから全部一回壊して50年ごとにゼロに帰ればいい。
大体僕は50歳以上の男性は意味が無いってずっと言い続けてる。
どうしてかと言ったら生まれて50年経つと腐るんですよ。
そこで一回「俺はもう死んでもいいんだ」と思わないと再生できないわけ。
それを言ってると皆から「お前おかしいお前おかしい」って言われるけど、ものすごい深い歴史的背景があって僕は言ってるわけ。
それで今度の事件東芝の事件日立の事件、どれもこれもそれが出てるもん。
NHKもそうですよ。
NHKが悪いんじゃなくて時代がNHKをダメにしてるんですよ。
だからNHKは一回潰してやりかえるといいと思います。

潰さないで心を変えられないのか?
いや、それが出来たらノーベル賞です。

それを一部やってるのがトヨタ自動車なんです。
トヨタ自動車が長続きして今でもいいのは、中で改革するんです。
大きな会社ではありえないことが起こるんです。
名古屋大学もそうです。
その国立大学のでかいところのナンバリング講座に私立大学の小さいところから突然行くはずの無い人が移ったりする。
逆流です。
そんなこと普通起こらないんですよ。
だけどこれが起こったのは名古屋大学の革新性なんです。
それが今のノーベル賞を沢山受賞することに繋がってるんです。
名古屋大学の中にはもちろん講座の教授になりたい人は山ほどいる。
それが上がらないで横から馬の骨がパァーーっと来るわけだから。
これを許す風土。
下から上がるようになったらもうダメなんですよ。
人間と言うのは難しいですね。
飲み仲間だったりすると「あいつ今度上げてやろうや」と思うでしょ。

上の方に行く原理と言うのがあって、最優秀な人がいつも上に居る場合。
最優秀な人は僻みが無いから次の最優秀を使うんです。
ところが3番手が上にある場合。
一番二番はどっかにやるんですよ。
そして4番手を使う。
4番手は今度5番手を使う。
どんどん下がっていく。
だからトップを使わないというのはそういうものすごく大きな影響があるんですよ。
ですから組織と言うのは一番良い部下を必ず使っていかなきゃいけない。
そうしないと一番二番三番四番と落ちて行ってついに今のフォルクスワーゲンは50番ぐらいが居るんですよ。
間違いないですよ。
冒頭から書いてきた証拠があるから。
こんなデカい事やったら会社潰れますよ。
会社潰れるかどうかの事をやるわけだから。
それは相当腐ってないとダメですね。

歴史の流れ、人事の考え方、人間の気持ちの持ち方、それが全部出てる。
ですからこれは他山の石として日本も戦後出来たような会社はそろそろ無くなって頂いて新しい本田宗一郎、松下幸之助、森田昭雄が出てくるような社会にしゃきゃいけない。
それで僕はNHKと東大からまず潰れてくれと言ってるわけで、無意味に言ってるわけじゃありません。
50歳以上の男も意味がありません。
ということです。
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